「いっそ、もっと、輝こう。」──三井住友VISAプラチナカードの掲げるそんな生き方を実践している女性たちがいる。宝塚歌劇団出身の女優、真矢みきと檀れい。2人とも、決して優等生ではなかった。逆境の中でも自分なりの輝き方を見いだした2人が、創立100周年を迎える宝塚への思いや表現者としての可能性を語り合った。
【真矢】宝塚の舞台を観たことがないという方は結構いらっしゃいますよね。実は、私自身もそうでした。宝塚の表現は、羽根を背負った男性が登場するような、現実ではありえないもの。そこには100年かけて構築された伝統の形があるのです。
【檀】宝塚にしかできない表現ですよね。上演中は現実を忘れて、娘役の瞳を通して男役に心をときめかせる。そんな夢を提供するのが宝塚だと思います。
──100年におよぶ宝塚歌劇の重みを感じるのは、どんな場面でしょうか。
【真矢】新しい表現に挑戦するときは常に、先輩方が構築してきた伝統を壊すことにならないか悩んでいましたね。背中を押してくださったのは、宝塚を象徴する男役スターとして活躍した故・春日野八千代先生の言葉でした。「何かを始める人間は頭を打たれる。それでも、やりたいかどうか」。こう言って頂き、覚悟が決まりました。
【檀】真矢さん率いる当時の花組は、都会的で新しい男性像を描き出し、刺激的な舞台を展開していましたよね。みんな憧れていたんですよ。
【真矢】そうだったの? もっと早く言ってほしかった!(笑)。でも、宝塚の先輩、後輩の間柄だと難しいかな。
【檀】(笑)。宝塚は伝統的に上下関係や礼儀作法に厳しいですね。でも、そこで生み出される団結力があるからこそ、個性的なタカラジェンヌが、結集して1つの夢の世界を創り上げられるのだと感じます。
【真矢】宝塚で鍛えられたおかげで、今も忠告や批判を素直に受け止められているな、と感じます。退団後にこそ、伝統のありがたさを実感しています。
──トップとして活躍するまで、順風満帆ではなかったとのことです。
【真矢】入学直後の順位は、39人中37位とほぼ最下位。一番希望に燃えていたので、ショックでした。
【檀】実は私も、成績が良くなくて……役がもらえない悔しさを悟られないよう、強がってばかりいました。
【真矢】私もそう! 一時は辞めようと考えていました。でも少しずつお客様から言葉をもらううちに、人生は長距離走と同じで、何が起こるか分からない──そう思えるようになりました。
【檀】私の場合は、阪神淡路大震災で劇場が閉鎖したことがきっかけでした。舞台に出たくて宝塚に入ったのに、自分は一体何をしてきたのか。寮の一室で自問するうちに、「できない自分をごまかすより、笑われてもやりたいことをやろう」。そう吹っ切れたんです。