「夢は何ですか?」──こう問われて、あなたは即答できるだろうか。グローバルステージが重視するのは、社員個々の夢や希望だ。多様なビジネス経験のなかで、起業などへのスキルを磨いていく。そこで培った経営的思考が、夢を叶える武器になる。
“卒業”した経営者は
すでに50名を突破
「“きっかけとチャンスを提供する”のが当社の使命」とグローバルステージの薄井隆博社長は明言する。今年度もすでに同社から2社が起業し、グループ企業は18社へ。ほかにパートナーを見つけて起業した人もおり、「これまで輩出した経営者は50名を超える」という。
「さまざまな仕事を経験できるのが、社員にとっての当社の魅力。私たちGS(グローバルステージ)グループには、多様な業界から、営業代行などの依頼が寄せられます。新規事業が活発なIT関連業界のほか、人材、金融、広告、流通など。当社が営業代行する商材やサービスは実に幅広い。社員のなかには1年間に5つもの商材を担当する者もいます。業界が異なれば、営業方法も異なる。キャリアを積むには、当社は最高の舞台だと考えています」
グローバルステージが創業したのは2003年。もともと起業などの意欲を持つ人たちへ教育の機会を提供する会社をつくろうとしていた。しかし高額な受講料を取るようでは、通える人も限られる。それなら、ビジネスの経験を積ませるなかで、いわば“無料教育”を実践しよう、と誕生したのが同社の前身の企業だ。その後、実際に多くの起業家が巣立っていくなかで、グローバルステージは“グループ化”を1つの戦略として取り入れる。
「社員数の少ない会社だと、信用や価格交渉などの面で、取引上、不利なケースが多い。また限られたリソースしか活用できないので、売上拡大のチャンスを逃すこともある。グループなら、そうした弱点を補えます。また全国規模のプロジェクトを受注することも可能。そこで6年前に『独立支援制度』を明確化するとともに、当社を核とするグループ化に踏み切ったのです」
グループ各社は多様な事業領域をカバーしている。またそれぞれ得意分野をもっているので、ある業界が不調のときは好調なグループ会社と連携することで、事業の安定度を高められるのだ。ビジネス環境、社会情勢が急激に変化するなか、起業したばかりの新社長にとって、これは心強い仕組みであるといえるだろう。