日本社会における急速な高齢化──。すでにさまざま視点から語られているテーマではあるが、ここであらためて具体的な数字を確認してみよう。

「高齢化率」とは総人口に占める65歳以上の人の割合のこと。2012年時点で、日本のそれは24.1%だ(平成25年版 高齢社会白書。2012年10月1日現在)。日本人のおよそ4人に1人が高齢者というわけである。遡ると、1950年の日本の高齢化率は4.9%、今の40代前半が誕生した1970年頃はおよそ7%程度だった。

現在の24.1%はすでに世界最高の割合だが、ご存じのとおり日本においてこの数字は今後も着実に上昇することになる。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2060年、日本の高齢化率は39.9%。全人口の5人に2人が65歳以上である。

ただ、言うまでもないことだが、今後深刻化する高齢化社会の主役は、今の現役世代にほかならない。ちなみに今からおよそ20年後の2035年の日本の高齢化率は33.4%で、ちょうど3人に1人が高齢者。この記事を読んでいる人の多くが当事者か、その少し手前にいるに違いない。

だとすれば、現在の元気なシニア世代から現役世代が学ぶことには大いに意義があるだろう。最近では、「健康寿命」という言葉が盛んに使われるように、重要なのは単に長生きをすることではなく、心身ともに健康な状態で充実した生活を送ること。そうした健康寿命の延伸は、医療費や介護費抑制などの観点から、国全体にとっても最優先のテーマの一つである。考えてみれば、現在の65歳が働き盛りの45歳だったのは1993年。すでに消費社会はすっかり浸透し、バブル経済も崩壊した後だ。決して遠い昔の話ではない。その意味でも、今のシニア世代の意識や行動は、現役世代に役立つ示唆を与えてくれるはずだ。