「アルバイト・パートの採用コストですか? どのくらいだろう……」と、首をひねる社長──。新卒・中途社員の採用については概ね把握しているものの、アルバイト・パートの採用は現場任せ。募集と採用にどれだけの「コスト」と「手間」がかかっているのか、その全体像を理解している経営者は、意外と少ない。「タウンワーク」「フロム・エー ナビ」「とらばーゆ」などの求人メディアを展開する株式会社リクルートジョブズの平井夢宇氏に、「スタッフ採用の課題と対策」について聞いた。
目指すは
「採用決定率の最大化」
飲食・小売・サービスなど、多店舗を展開する事業領域では、アルバイト・パートの活用は、いまやビジネスの浮沈を左右する重要な経営課題。例えば、アルバイトを確保できずに出店計画が延期になってしてしまうなど、ここ数年、スタッフの採用管理が事業戦略に影響を与える事例が増えている。日常的にアルバイトやパートを採用している企業の管理職や経営層にとって、こうした実情は、決して人ごとではないだろう。
背景にあるのは、アルバイト・パート領域における人材マーケットでの需給ひっ迫。一方で「アルバイト・パートの採用プロセスが、未だに“ブラックボックス化”していることも大きな要因」と、リクルートジョブズの平井氏は指摘する。
というのも、流通や飲食などチェーン展開する大手でも「アルバイトの採用については、新卒・中途社員の採用に比べ、本部の体制が整備されていない」。そのため「各店舗の採用状況を逐次把握できず、応募数の割に採用数が少ない、またそれに伴うコストさえ正確につかんでいない」という現状がある。
「そうしたなかでリクルートジョブズが目指しているのは、クライアント様の『採用決定率を最大化する』こと。求人にかかわるさまざまな情報を一元化することで、採用プロセスに光を当て、採用力向上を支援する。当社が昨年10月にリリースした、採用管理システム『リクオプ』は、そんな役割を担っているのです」