「自民党離れ」の本当の理由

自民党の真の再生とは、政権延命のための表層的刷新ではない。それは、戦後日本が築いてきた政治構造そのものを再定義し、「国家の設計を担う政党」へと生まれ変わることである。

戦後の自民党は、秩序を守ることで国家を安定させてきた。官僚、財界、地方組織、メディア――これらを結ぶ重層的ネットワークが、日本型統治の骨格を形づくった。この「秩序の保守」は、かつての日本を確かに支えた。しかし、いまやその秩序自体が制度疲労を起こしている。秩序を守ることが、結果として変化を拒む慣性の政治に変質したのである。

今日、自民党が直面している危機の本質は、世論の批判や派閥抗争といった表面的な問題ではない。それは、党が国家の構造的役割を失ったことにある。かつて自民党は「国家を動かす政党」であったが、いまや「政権を維持する政党」に堕している。国家のために制度を設計する知性を捨て、官僚調整と世論迎合の狭間で方向性を失っている。