プレゼン開始時には聞き手に話しかけて一体感をつくる

プレゼンは、発表者が一方的に話をする形になりがちです。でも、ちょっと想像してみてください。日常の会話で、相手が一方的に話すのをずっと聞いているのは、苦痛ではありませんか。プレゼンも聞き手と言葉をキャッチボールするつもりで進めましょう。

そのためには、質問をすることが効果的です。特に、プレゼンが始まるときには、話し手と聞き手の間に「見えない壁」があります。質問を投げかけることによってその壁を崩し、「同じ場にいるあなたと私」という一体感を作ることができます。

質問は相手の答えやすい簡単なものにします。ただし、限られた時間の中なので、「今日はどうやって来られましたか」といった世間話のような質問よりは、プレゼンの目的や内容に沿った質問がいいですね。

例えば、「こんなことにお困りではありませんか」「こんなものがあったらいいなと思われている方はいらっしゃいますか」というような質問です。聞き手の関心事について質問すると、聞き手は頭の中で「そうそう」と頷いたり、実際に頷く動作をしてくれたりします。

オフィスの役員室でプレゼンテーションを行う
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「手を挙げてください」は中盤まで取っておく

「今日のプレゼンの目的は○○です」と言うと一方的な話になりますが、質問をすると実際声に出して会話をしなくても、聞き手は頭の中であなたと会話をしてくれます。

「Aだと思われる方は手を挙げてください」というように、挙手をしてもらう問いかけもいいですが、それはプレゼンの冒頭でするよりも、話が少し進んでからのほうがおすすめです。話し手も聞き手もまだ緊張感のある冒頭では、「手を挙げてください」と言われても、聞き手の中には周りを気にして手を挙げにくい人もいるからです。

「手を挙げて」と言ったのにリアクションがないと、話し手であるあなたも、自分だけが空回りしているように感じて、出鼻をくじかれた気分になってしまいます。

聞き手の一人ひとりと「脳内会話」をするつもりで話しかけ、プレゼンの冒頭で聞き手の心をがっちりつかみましょう。