「文春砲」が暴く、数々の不倫が世間の耳目を引いている。だが後ろめたい“交際”で周囲に気を配らなければならないのは、何も芸能人に限った話ではない。ライターのキンマサタカ氏の著書『文春にバレない密会の方法』(太田出版)より、ビジネスなどにも応用可能な「密会」のコツを紹介する。

密会するなら天王洲

密会において悩ましいもの、それは逢引きする場所選びだ。都内に勤めるカップルならば、近場でご飯を食べて、そのあとホテルにしけこむスタイルが一般的だろう。重要なのはホテル選びだ。ご飯を食べているところを目撃されても言い逃れできるが、万が一にもホテルに入るところを押さえられたらシラを切るのは不可能に近い。

そこで最良のホテル選びのコツを考えたい。大切なのは人目につかないことだ。

『文春にバレない密会の方法』(キンマサタカ著・太田出版)

たとえば、品川天王洲アイルにある「第一ホテル東京シーフォート」。都心からもタクシーで20分程度とアクセスは抜群だが、天王洲はオフィス街で夜になると人通りも少なく、住民の姿もほとんど見えない。さらにこのホテルのエントランスは地下にあるため、タクシーで地下に降りて、そのまま人目につかずにチェックインすることができる利点がある。

帰るときはホテルの目の前を走るモノレールとタクシーを使えば、別々に帰宅できるうえに、都心へのアクセスの良さから終電ギリギリまで楽しむことが可能だ。

普段とは違った視点で街を見直すことで、最良の密会場所が見つかる。

尾行をまくなら奥渋谷

尾行は2人1組が基本だ。車で移動する場合は、もちろん車であとをつける。車を降りたら、1人は後を追い、もう1人は基本的に車で待機する。急な移動に備えるためだ。一見万全に見える尾行だが、弱点もある。それは、車が入りづらい路地に入られると、一瞬にしてワンオペになってしまうのだ。

くねくね曲がりくねった街は、尾行するのがとても難しい。すぐに見失う危険があるし、近づきすぎると、尾行に気づかれる恐れがあるからだ。車は入りづらいし、バイクで侵入すると目立ってしまう。

以上のことから、渋谷のラブホテル街のような、狭い路地にホテルが密集した地域を歩くことを勧めたい。タクシーで移動して、狭い路地に入る。ここからは早足で、角を何度も曲がる。

そして角を曲がったら後ろを振り向いて、向こうから歩いてくる人をじっと見つめる。不自然に目を合わさないとしたら、それは尾行の証拠だ。違和感を覚えたとしたら、その勘はおそらく正しい。

気づかれていると思った瞬間に、尾行者は調査を終了する。念のためその日の密会はお開きにして、会うまでの期間を空けたい。