VOL.4
テクノロジーが描く未来
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5Gの現在地と「0.5秒先を予見する」Beyond 5Gの世界
5G(第5世代移動通信システム)において、世界有数の技術プロバイダーとして存在感を示すNEC。その目線は、すでに5Gの先を見据えている。新事業推進本部の新井智也本部長と、システムプラットフォーム研究所の下西英之主幹研究員に、ネットワーク技術の今と未来、さらにそれらをベースにNECが提供する価値について聞いた。
KEY PERSONS
新井 智也 ( あらい ともや )
NEC Corporation
新事業推進本部 本部長
1997年NEC入社。以来、通信事業者向けの製品開発やソリューション開発、事業企画に従事。現在は新事業推進本部にてローカル5Gをはじめとしたプライベートネットワーク関連サービスの事業開発および市場展開を担当。
下西 英之 ( しもにし ひでゆき )
NEC Corporation
システムプラットフォーム研究所 主幹研究員
博士(工学)。1996年NEC入社。2002年大阪大学大学院博士後期課程修了。2003年UCLA Computer Science Department客員研究員。SDN/NFV、Beyond 5Gを含む情報通信ネットワークの研究に従事。現在、新事業推進本部エグゼクティブエキスパート兼任、大阪大学大学院情報工学研究科特任教授兼職。
産業イノベーションの起爆剤としての「ローカル5G」
- Q5Gは現時点で利用できるエリアが限られていることもあり、従来技術との違いを実感する機会がなかなかありません。5Gによって、何が変わろうとしているのでしょうか。A下西:5G以前の無線通信技術は、人と人とのコミュニケーションが基本的な用途でした。一方、5Gはモノとのコミュニケーションに威力を発揮し、産業に大きく貢献する技術です。たとえば、建機を遠隔制御したり、自動運転車にリアルタイムの交通情報を届けたりするための技術として期待されています。
新井:日本では労働人口が減ると同時に、熟練した匠(たくみ)も減っています。高精細な動画の共有や、遅延のない指示や遠隔操作を可能にする5Gは、時間や空間の制約から人を解放し、人材不足や地域格差といった課題解消に貢献するでしょう。さらに新型コロナウイルス感染拡大により全国各地の現場を飛び回ることが困難になっている現在、5Gは一層欠かせない技術となっています。
私たちがご支援する企業のなかで、「5GがDXに必要な要素」との認識は、かなり浸透してきているという実感があります。ユースケース(利用者があるシステムを用いて特定の目的を達するまでの、双方の間のやり取りを明確に定義したもの)の実証も着実に増えていますし、実証のフィールドはラボ(研究所)を出て、工場や建設の現場に移っています。浸透のステージが変わってきているのは間違いありません。 - Qさらなる5Gの普及、そして産業の発展には何が必要でしょうか。A下西:企業や自治体が構築するローカル5Gが、産業イノベーションの起爆剤になるでしょう。
新井:携帯電話で使用する電波は本来、通信事業者のみが扱える公共財です。ローカル5Gは、地域限定とはいえ一般企業や自治体が特定の電波を占有できる、今までにない画期的な制度です。イノベーションの土台として5Gを利用する機会が増え、ユースケースが飛躍的に進化することで、5Gの社会実装が進むものと期待されます。
また、ローカル5Gは電波が混み合うことがほとんどなく、他のエリアにおける障害の影響も受けにくいため、5Gの特徴とされる「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」に加えて、「安定性」「安全性」といった産業用途の可能性を拡げる特徴も備えています。
下西:AI(人工知能)との融合も重要です。AIが頭脳だとすれば、ネットワークは神経網に当たります。AIはネットワークによって進化するし、ネットワークもAIによって運用効率化や性能向上といった進化を遂げる。NECでは、AIとネットワークが共に影響しながら進化していく「共進化」に取り組んでいます。5Gの次世代になるBeyond 5Gでは、それらがより具体的になっていくでしょう。
AIとネットワークの共進化で、0.5秒先が予見可能になる?
- QNECが考えるBeyond 5Gの姿は、どのようなものでしょうか。A下西:0.5秒先の世界が見えるようになる……それが2030年における1つのビジョンです。世界中のカメラやセンサーがつながり、そこから集められたデータを膨大なコンピューティング・リソースやAIで処理することで、0.5秒先を予見できるようになるでしょう。
0.5秒先の世界がわかれば、ネットワークを経由して自動車や建機、ロボットなどをより安全で効率的に制御できるようになり、人と機械が一体となって共存・協働できる社会を実現することができます。
新井:5Gは「産業用のネットワーク」という側面が強いですが、今後は、より人間中心に、よりサスティナビリティを重視した世の中になっていくでしょう。このことから、Beyond 5Gは、人の感情や五感を伝え、共感によって新しい価値を生んでいくインフラになっていくものと考えられます。
下西: NECは今から30年以上前の1977年に、すでに「コンピュータ技術とコミュニケーション技術の融合」を意味する「C&C」という新しい概念を提示しました。現在、コンピュータ技術はAI、コミュニケーション技術は5GやBeyond 5Gに進化し、コラボレーションという意味を持つ「次世代C&C」への進化が始まっています。
NECが描くデジタルトランスフォーメーション
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5Gの民主化と社会実装を実現させ推進する
ローカル5Gは、5Gを企業や自治体に開放するものです。しかし、一般企業が基地局の設置や運用を行うには、技術や初期投資というハードルが存在しているのも事実です。
「NEC Smart Connectivity」では、ローカル5Gに関するコンサルティングサービス、インテグレーションサービス、マネージドサービスを提供しています。このうちマネージドサービスでは、コアネットワーク、基地局といった5Gシステムを構成する機器と保守サービスをセットにし、月額料金で提供するメニューを用意しています。
また、NECはネットワーク機器を通して5Gインフラ整備に貢献する一方で、ネットワーク技術はもちろん、AI技術群「NEC the WISE」や共創ファシリテーションを提供することで、お客様やパートナーとのユースケースづくりを進め、5Gの社会実装を推進しています。
「NEC Smart Connectivity」では、ローカル5Gに関するコンサルティングサービス、インテグレーションサービス、マネージドサービスを提供しています。このうちマネージドサービスでは、コアネットワーク、基地局といった5Gシステムを構成する機器と保守サービスをセットにし、月額料金で提供するメニューを用意しています。
また、NECはネットワーク機器を通して5Gインフラ整備に貢献する一方で、ネットワーク技術はもちろん、AI技術群「NEC the WISE」や共創ファシリテーションを提供することで、お客様やパートナーとのユースケースづくりを進め、5Gの社会実装を推進しています。
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