Google Workspace 導入事例 05 – 株式会社エディオン
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全国展開している店舗の業務をデジタル化し、「おもてなしの心」をアップグレード
家電専門店の全国展開をはじめ、リフォーム・住宅関連事業やリサイクル事業、ロボット プログラミング教育事業など、多角的な事業を展開しているエディオン。そのエディオンが 2019 年からグループで DX による業務プロセスの見直しに取り組んでいる。その一環で Google Workspace を導入。Google Meet や Google Chat を活用し業務の効率化を図ると同時に、店舗における接客・サービスの向上にも役立てている。
「グループウェア」「基幹システム」「情報システム部内の意識」を同時に刷新
金子 悟士 ( かねこ・さとし )
株式会社 エディオン
取締役副社長執行役員 事業本部長
2019 年、株式会社エディオンに入社。取締役専務執行役員 物流 IT サービス本部長を 2 年担当。2021 年 2 月より事業本部長を担当、同年 6 月より取締役副社長執行役員。
- 「効用の提供と完全販売によるお客様第一主義の実現」を経営理念に掲げるエディオン。販売時だけでなく、販売した商品の寿命が尽きるまで手厚いアフターサービスを提供することで消費者から根強い支持を得ている。しかし、社内の業務の効率化やシステム化は遅れていた。2019 年からエディオンに籍を置き、グループ全体の DX 戦略を指揮する取締役副社長執行役員の金子悟士氏はこう振り返る。
「私が入社した時は、業務にまだ手作業で対応している部分がたくさんあり、マンパワーで処理してきたのだろうと思いました」(金子氏)
「人」を中心に築かれた業務をそのままシステム化しても、DX はいずれ行き詰まってしまう。そう感じた金子氏は発想を逆転させ、システム化に最適な流れを作るため、今の業務プロセスを根本から見直すことにした。
そこで打ち出したのが、3 つの分野における「基盤」の強化と更新である。3 つの分野とは、従業員の働き方の基盤となる「グループウェア」、社内システムの基盤となる「基幹システム」、そして DX を主導する情報システム部内の基盤となる「意識変革」。そのうち真っ先に着手したのが、グループウェアの刷新だった。
Google Workspace 活用で時間のロスをなくし、仕事をより正確に
- 「働き方を変えるにも、生産性を上げるにも、その基盤になるツールがないと始まらないと考えました。Google Workspace を選んだのは OS やプラットフォームなどに依存せず、インフラに近い感覚で使えて、セキュリティ面でも安心だからです」(金子氏)
まず店舗と本部間で電話やメールで行われていたコミュニケーションを Google Chat に代えたことで無駄がなくなり、さまざまなやり取りがスムーズかつ正確に行えるようになった。
電話だとかかってきた側はその時にしていた作業をいちいち止めなければならない。そもそも電話がつながらないことや不在の場合もある。またメールは、相手が確認したかどうかもわからず、返事が戻ってくるまでに一定の時間がかかってしまう。それを Google Chat にすることで受け手は自分のタイミングで確認できることに加え、即座にレスポンスできるので、圧倒的にやり取りが速く、楽になったという。
これまでは会議で店舗と本部の間を頻繁に人が行き来していたところを、Google Meet を活用したオンライン会議に切り替えたことで、移動の必要がなくなり大幅に効率化された。また、店舗から問い合わせを受けることの多い情報は、本部が関連資料を Google ドライブに置くことで、どこの店舗からもいつでもアクセスできる環境を整えた。
さらに、本部スタッフが定期的に全国の店舗視察を行う「臨店」も、Google Meet で本部と店舗をつなぎ、店舗のスタッフが売り場の模様をカメラで見せることによりオンライン化できるようになったため、店舗への移動が不要になった。それまでは 1 人が 1 日に回れる店舗数はせいぜい 2 ~ 3 件だったのが、リモート化により 1 日 9 ~ 10 件ほどの臨店が可能になったのである。
導入して約 1 年がたった今、「Google Workspace は本当に私たちの働き方を変えてくれました」と金子氏は顔をほころばせる。
エディオン各店舗でスタッフ間の情報共有によく使われているのが、メモツールの Google Keep だ。Google Workspace のユーザーなら誰でも利用でき、PC やタブレット端末、スマートフォンから簡単にメモを作成、アクセスできる。チーム内でメモを共有すると、メンバーはクラウド上で自由にメモを編集できる。
情報システム部主導で行った「基幹システムの丸ごとクラウド化」
- 2 番目の、社内システムの「基盤」となる基幹システムについては、その第 1 弾として、基幹システムを丸ごとクラウド化するという大胆な施策を打った。
クラウド化した狙いは、ハードウェアの保守や運用、またサーバーリソースを確保するための費用を削減することだった。そして新しい機能を載せることで、モダナイズされたシステム構築が可能になることだったという。
3 番目の、情報システム部内の「意識変革」とは、役割を根本的に変える試みである。「現場とベンダーとの仲介役」にすぎなかった従来の役割から飛躍させ、ベンダーに頼らず自前でシステムを構築できる新しい情報システム部を目指した。
「結局、DX のキーとなるのは情報システム部なのです。その部員がオーナーシップをもって手がけることで、自分たちが望む DX をタイムリーに進められるうえに、外注費を大幅に削減できます。しかも社内にノウハウがたまっていく。それが会社の財産になるのです」(金子氏)
金子氏は「私が全責任を取る」と断言したうえで、基幹システムのクラウド化を進めるように指示したという。
「部員には負担を強いることになりましたが、苦労しながらも全員が必死になってやり遂げてくれました。これをきっかけに部員の意識は大きく変わり、自信を持つことにもつながったようです」(金子氏)
こうして 3 つの分野の基盤を強化、更新していった金子氏だが、すべてのことをデジタル化すればよいと考えているわけではない。
「お客様第一主義を掲げるエディオンにとって一番大切なのは、おもてなしの心です。DX で業務を効率化し、働き方を変えているのも、お客様のためにより多くの時間を充てられるようにしたいというのが本来の目的なのです」(金子氏)
DX は、目的を明確にして軸をぶらさないことが大切だと金子氏は最後に語った。
デジタル活用でフロア内のコミュニケーションがスムーズに
野口 卓也 ( のぐち・たくや )
株式会社 エディオン なんば本店
フロアマネージャー
2003年入社。2019年なんば本店に着任。フロアマネージャーとして生活家電を担当。
- グループで一斉に Google Workspace を導入して以後、エディオン全店のコミュニケーション手段は従来の電話とメールから、Google Chat や Google Meet に切り替えられた。旗艦店の「エディオンなんば本店」では、フロア内の業務連絡をインカムから Google Chat に切り替え、現在はほぼすべての店舗スタッフがタブレット端末を携帯して接客にあたっている。
「インカムでの業務連絡はスタッフが接客中や休憩中だと聞き逃してしまったり、雑音で聞こえなかったりということも多かったのですが、Google Chat を活用するようになってからは聞き逃すということがないので、より確実に伝わるようになりました」と語るのは、なんば本店フロアマネージャーの野口卓也氏だ。
今では担当ごとにチャット グループを作って緊密なやり取りも行われていて、Google Chat はもはや手離せないという。
- また、定期的に行われる本部での全体会議やエリアごとの担当者会議は Google Meet を利用し、リモートで実施されるようになったため、会場への移動の手間がなくなった。
「店舗内から参加できますから、移動時間も省けますし、会議終了後すぐに決定事項を従業員に共有できるので、事後対応もスピーディになりました」(野口氏)
導入から約 1 年がたった今、Google Chat と並んでよく活用しているのがメモ作成ツールの Google Keep だという。
「店舗で難しいのはスタッフが休んだときの引き継ぎです。以前は、ノートなどで業務内容を共有していましたが、今は Google Keep にメモしておいて、全員で共有するようにしています。たとえば、このお問い合わせをいただいたお客様にはこのご案内をしてください、といった申し送りもとてもスムーズになりました」(野口氏)
引き継ぎや店舗内での連絡でミスがなくなったことは、顧客満足度の向上にもつながっていると実感している。
「導入当初は、何が変わるのかは正直わかりませんでしたが、今は本当に便利だと感じています。Google Workspace でスタッフ間の連携を深めて、お客様へのさらなるサービス向上に努めたいと思います」(野口氏)
- エディオンでは全国の店舗で働く従業員が Google Workspace を使いこなすことで、業務の効率化を実現し、それによって捻出できた時間を顧客サービス向上に役立てている。デジタル化の波で小売ビジネスが激変しつつある今も、エディオンの掲げる「お客様第一主義」にまったくぶれはない。むしろデジタルの力を積極的に活用して、「おもてなしの心」をアップグレードし続けるエディオンは、変化の激しい時代においても、業界を牽引する存在であり続けるだろう。
Google Workspace
Google Workspace は、Google が提供するクラウド型のグループウェア。「Google Meet」や、メッセージやグループの会話などを行うコミュニケーション ツールとなる「Google Chat」 、他のツールが統合され強力な検索機能をもつ「Gmail」、チームで共有できる「Google カレンダー」、さまざまな形式のファイルを安全に保管、共有できる「Google ドライブ」、複数のユーザーとリアルタイムに共同編集が可能な表計算アプリケーションの「Google スプレッドシート」、アンケート フォームが簡単に作成できる「Google フォーム」など、企業で必要なすべてのアプリケーションが揃う。共同作業がしやすく、組織の生産性を高めるとともに、新たなアイデアの創出を促す機能があり、生産性向上と柔軟な働き方を実現するコラボレーション ツール。
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