住む場所によって子育て支援はこんなに違う
私事ですが、この夏に引っ越しをしました。今回の引っ越しで一番感じたことは、住む場所によって子育て支援に大きな差があるなぁ! ということです(引っ越しの大変さよりも衝撃的でした)。差があることはもちろん知ってはいたのですが、今回は実体験として差を感じることとなりました。
特にわが家は子どもの人数が多いので、大きく感じたということもあるかもしれませんが、住む場所によってこんなに変わるのかと驚きました。今回は自治体によって変わる子育て支援についてお話します。
出産時のギフト
令和5年から国の政策として、妊娠時に5万円分の出産応援ギフト、出産時に5万円分の子育て応援ギフトが支給されています。所得制限はありません。東京都ではこれに上乗せして出産時に10万円分のギフトを受け取ることができます。
子どもの医療費の助成
子どもの医療費の助成の内容や対象年齢は自治体によってかなり変わってきます。医療費が無料になる自治体もあれば一部負担という自治体もあります。対象年齢についても0歳から18歳まで医療費が無料になる自治体もあれば、中学生までという自治体もあります。
また、所得制限がある自治体もあります。東京都内でも23区の場合は18歳(18歳に達する日以後の最初の3月31日)の子まで医療費が無料となりますが、都内でもその他の市では通院時に1回あたり自己負担200円というところもあります。
学校教育費の自己負担
学校教育費も自治体によって自己負担が大きく変わります。また、学校によっても変わります。わが家が住んでいた杉並区では学用品のほとんどは支給されており、移動教室や修学旅行などの費用もほとんどかかりませんでした。引っ越し先の区では1年生のお道具箱や防災頭巾に始まり、授業で行うテストやドリルなどの購入費用の請求があり驚きました。毎年1万円くらいはかかるようです。体操服も以前は上が白、下が紺のハーフパンツの運動着であれば何でもよかったのですが、新しい学校では指定体操服だったので一人6000円ほどかかりました。今まで格安の運動着を使っていたので手痛い出費です。学校によって体操着や水着だけでなく、制服、標準服などの指定がある場合もあり、その場合は費用が高くなる傾向があります。
場所や学校によって変わる…給食費、保育料、放課後の居場所
学校給食費の無償化
小学校の学校給食費は無償の自治体とそうでない自治体があります。中学校の学校給食については学校給食をそもそも提供していない自治体もあります。以前住んでいた杉並区では昨年から小中学校の給食費が無償となりました。
更に今年4月からは私立に通う子どもに対しても、学校給食費分の助成金が支給されることになっています。給食費分の子ども一人あたり月5000円程度がかからなくなるのは、家計にとっては大きいですね。
自治体によって変わる保育料
今は幼保無償化となり、3歳から5歳までの保育料は無償となっていますが、保育園の給食費については有料が基本です。ですが、自治体によっては給食費も無償としているところもあります。
無償化の対象外である0、1、2歳の保育料は自治体によって金額が異なります。また、多子世帯の負担軽減措置も国の政策としては2人目半額、3人目無償となっていますが、2人目から無償となる自治体もあります。0、1、2歳の保育料は高めなので無償になるとありがたいですね。
放課後の居場所
放課後の居場所として思い浮かぶのは学童かと思いますが、学童の場合、親の就労要件を満たしていないと利用することができず、利用料もかかります。最近では各自治体で誰でも無償で利用できる放課後の居場所事業が活発になっています。
放課後や休みの日も学校で過ごすことができるのですが、全ての学校で実施しているわけではなく、同じ自治体でも実施している学校、していない学校があります。わが家が以前通っていた学校では実施しておらず、隣の学校では実施していたので、ちょっぴり羨ましかったです。
また、学童についても学校内に設置されている場合もあれば、学校から離れた児童館等に移動しなければいけない場合もあるので、通いやすさなど考慮しなければいけません。
学童の宅配弁当サービス
最近では夏休みなどの学童での宅配弁当サービスも増えてきました。長期休暇中はお弁当を持たせなければいけなかったので、ありがたいサービスだと思います。こちらも実施している学童、していない学童があるので、学童選びの際のポイントとなるかもしれません。
要注意! 申請しないともらえない年額10万円の助成金
東京都私立中学校等授業料軽減助成
東京都では子どもが私立中学校等に在学している場合、年額10万円を受給できます。東京都に住所を有していれば、東京都外の学校に通っていても対象となります。また、今年から所得制限がなくなりました。
子どもが学校からお便りを貰っているはずなので確認しましょう。本助成を受ける為には各自で毎年申請をしなければいけません。9月2日から10月15日と申請期限が短く、期間外の申請は受付不可となりますのでご注意ください。
高等学校等の就学支援
国の制度として高等学校等就学支援金制度がありますが、こちらは所得制限があり、目安として年収910万円以上の場合は支援金を受け取ることができません。東京都では所得制限を撤廃し、高等学校等授業料軽減助成金として受け取ることができるようになりました。
東京都独自の子育て支援 018サポート
東京都ではすべての子どもたちの成長を切れ目なく支えていく、として都内在住の0歳から18歳までの子どもに1人月額5000円を支給してくれます。
昨年から始まった制度で、今年も継続されることになりました。申請が手間でしたが、昨年申請を行った方は原則改めての手続きは不要です。昨年は1年分を一括で支給されましたが、今年度は8月、12月、4月の3回の支給となります。
児童館・図書館・公園・プール等の公共施設
子どもが小さいうちは、親子が過ごす場所や子どもが放課後に過ごす場所が充実していることも子育て支援として重要なポイントです。
例えば、すみだスポーツ健康センターは区営プールですが、レジャー施設のような流れるプールやスライダーもあります。
江東区のこどもプラザ図書館はこどもプラザの中にある図書館で、赤ちゃんコーナーやプレイルームもあり、子ども連れで楽しめる図書館です。
子どもが小さいうちはこうした施設が家の近くにあると嬉しいですね。個人が貰える経済的な助成金などもありがたいものではあるのですが、こうした場所を個人で作ることはできないので、これらが充実している自治体はポイントが高いと思います。
まとめ
いかがでしたか? 住む場所によってこんなに変わるのかと驚きますよね。こうしてみると東京都の子育て支援は手厚いように思います。ただし、住宅費や食材費など生活費が高い傾向にあるので、トータルで考えた方がいいでしょう。また、同じ東京都の中でも区や学区によっても変わってきます。今後住まいを検討されるご家庭はこのような子育て支援についても調べてから、住む場所を選ぶといいかもしれません。道が一本違うだけで自治体が変わり、支援が変わることもあります。
これから子育てが始まるご夫婦はなかなか実感がわかないかもしれませんが、子どもが小さい頃ほど保育料が高かったり、親子が過ごす場所が必要だったりします。ぜひ本コラムを参考にしてみてください。