6児の母が値上げラッシュに対抗するには
ファイナンシャル・プランナーの橋本絵美です。共働きパパママ世帯を中心に、新婚ご夫妻から退職後のご夫婦までさまざまなご家庭の家計改善のアドバイスをしています。
また、お金のやりくりに困っている人はモノのやりくり、お片づけにも困っているもの。そこで、ファイナンシャル・プランナーと併せてお片づけプランナーとしても活動しています。プライベートでは2男4女、6人の子どもの母として育児と家事と家計を切り盛りしています。
さて、昨今の値上げラッシュは大家族のわが家にとっても痛手でした。そして今後も加工食品や調味料、乳製品、お菓子などの食料品、飲料など、値上げはまだまだ続く見込みです。本来、流動費である食費の節約はあまりおススメしません。食費は毎日のようにかかる費用で、節約を考え出すとストレスがかかり、リバウンドもしやすく、成功するのが難しいものです。
でも毎日かかるものだからこそ多くの方がまず手をつけようと考えてしまうのも食費です。それに、これだけ値上げが続くとなると、今のうちに手を打っておかないと、家計はどんどん苦しくなってしまいます。そこで今回は、わが家が実践するストレスなくリバウンドせずに食費を節約できる3つのコツをお伝えします。
1 キッチンを片づける
キッチンはそんなに広くないように見えてもシンク上の収納や冷蔵庫、食器棚などで実は床面積の何倍もの広さにかさ増しされています。そこには食材、食器、調理器具などたくさんの物が詰め込まれています。そのため、気づかないうちにキッチンにある物の量が、自分が把握し、管理できる量を超えてしまいます。物が増え過ぎると使う物は出しっぱなしで散らかってしまい、使わない物が収納を占拠してしまいます。
キッチンはスペースが限られているので、物が出しっぱなしだと調理スペースが狭くなります。また必要な道具が見つからなかったり、取り出しにくかったりと料理がしにくくなってしまいます。使わない物を処分することで本当に必要な物をきれいにわかりやすく収納することができます。
使いたいときに使いたい物をすぐに取り出せるようになりますし、作業スペースが広く使えるようになると料理がしやすくなります。料理がしやすくなると総菜を買ったり、外食をしたりということも自然と減っていくのではないでしょうか。また調理時間が短くなるとガス代・電気代などの節約にもなります。
「あると便利」はなくても困らない
キッチンによくあるのは便利グッズや専用の調理器具、例えば千切りチョッパー、サラダの水切り、ゆで卵作り機、石焼き芋が作れる機械、油を使わずに揚げ物が作れる機械、パン焼き機などなど。これらの物は基本的にはある特定のことに対する専用器具なので、その作業をするにはとても便利です。
その反面、汎用性があまりなく、それぞれそろえると場所をとってしまいます。調理したあとのメンテナンスの手間もかかります。調理から片づけまでトータルで考えると便利な物をそろえるよりもシンプルな道具に絞る方が管理も楽ですし、汎用性が高く、何にでも使えて、効率がいいのです。
また、残念なことに便利グッズは買って最初のうちは使っていたけど、最近はしばらく使っていないという方もよくいらっしゃいます。
今でも使っている物だけを残し、買ったけれど使っていない物、わが家には合わなかった物、いつか使うかもしれないと思って取ってある物、高かったから捨てるには惜しいという物も、1年間振り返ってみて使わなかった物はぜひいったん手放してみましょう。「あると便利」という物は、なくてもそこまで困りません。
すぐなら誰かの役に立つ
食材は賞味期限があり、腐ると食べることができないので捨てるしかありません。腐ってもいない、壊れてもいない、まだ使える調理器具となるとなかなか手放しにくいものです。ですが、使わずにしまってあるのは捨てるのを先延ばしにしているだけかもしれません。
将来結局捨てるくらいなら、もう使わないかな~と思ったら、すぐにフリマアプリで出品したり、友達に声をかけてみることをおススメします。古くなった物はみんな欲しがりませんが、新しい物なら使ってみたかった! と言う人が見つかるかもしれません。
捨てるのは心が痛みますし、譲り先を見つけるのは手間がかかります。なので一度モノを手放してみると、次に何かを買おうとするときにはよく考えてから判断することができるようになるでしょう。不要な物を買わなくなれば、無駄なお金を使わずに済みます。
2 冷蔵庫は小さい方がいい
社会問題になっている食品ロスですが、食品ロスをなくすことは食費節約にもつながります。
農林水産省の統計によると日本人の1人当たりの食品ロス量は年間約41kgで、毎日お茶碗約1杯のご飯を捨てている計算になるそうです。食品ロスをなくせば、仮にお米で換算すると1人当たり約1万7000円の節約になります(5kg2000円で計算)。4人家族なら6万8000円です。
食品ロスには事業系食品ロスもありますが、家庭系食品ロスも事業系食品ロスとそんなに大きく変わらないくらいの量があることがわかります。
冷蔵庫が食品でいっぱいだと何がどこにあるのかわからず、腐らせてしまう原因になります。食材を把握できる量に抑えることができればダブって購入することがなくなり、使い切れずに腐らせてしまうことも減るでしょう。
冷蔵庫自体を小さくできれば、食材管理はしやすくなります。ファミリー世帯の場合、大容量の冷蔵庫を利用している家庭がほとんどだと思います。大きければ大きい分だけ、どうしても容量いっぱいに詰め込んでしまうものですが、大容量の冷蔵庫でいっぱいに食材を詰め込むと、管理できるキャパを超えてしまいます。
8人家族でも2人用の冷蔵庫で十分
わが家は8人家族ですが、一般的には2人用といわれる272リットルの冷蔵庫を愛用しています。私も結婚当初は大容量の冷蔵庫を購入したのですが、子どもが増えてきて、育児や家事、食材管理が大変になり、思い切って小さいサイズの冷蔵庫に買い替えてみました。
それまでは家族が増えると冷蔵庫を大きくするのが普通だと思っていましたが、大きい冷蔵庫は食材を把握することが難しく、料理をする際の作業効率が悪くなってしまうことに気づき、小さい冷蔵庫に買い替えました。1度で買い物ができる量が買い物かご2つ分なので、買い物かご2つ分が入る大きさであれば十分だと計算しました。
このサイズの冷蔵庫だと、扉を開けると一目で見渡せ、全ての食材を把握できます。料理する際も食材をぱっと取り出すことができるので効率も上がりました。
3 買い物の定番化 3日サイクルがちょうどいい
まとめ買いでもなく、毎日買いでもなく、3日おきの買い物が食材管理を楽にする上でおススメです。週に1度などのまとめ買いだと、次の買い物が1週間後になるので、足りなくなると困ると思い、つい買い過ぎてしまいます。一方毎日買い物をすると、買う予定のなかった物までうっかり買ってしまう回数が増えてしまいます。3日分くらいの食材であればスケジュールに合わせて献立も考えやすいですし、必要な量もわかりやすくなります。
次の買い物までに使いたい食材がなくなってしまったとしても、またすぐ次の買い物デーがやって来るので、今ある物で何とかしのいで乗り切ることができます。また、買い物の回数が減れば、うっかり買ってしまう回数を自然と減らすことができます。
キーワードは定番化とリスト化
買う食材は定番化、リスト化しておくことがおススメです。例えば、ニンジン・タマネギ・ジャガイモと緑の野菜とサラダ用の野菜、肉または魚を3日3食分で3パックといった具合に決めておけば、買い物が楽にできます。
味付けもリスト化しておくと食材と味付けの掛け算でレパートリーを増やすことができますのでおススメです。栄養バランスも考えながら3日で使い切れる量を買うことで自然と食材ロスを減らすことができます。
まとめ
食費節約のコツとして、キッチンを片づけること、冷蔵庫を小さくすること、3日サイクルの買い物についてお話しました。
頑張る節約ではなく自然と食費が減る工夫です。予算管理も大切ですが、食費を減らそう減らそうと思うとストレスになってしまいます。無駄をなくして効率よく料理ができるようになると結果的に食費が減っていくと思います。まずはここから実践してみてください。