『プレジデント ウーマン』編集部が独自に行った読者1000人調査によると、働く女性の約8割が、ヒールのあるパンプスを履いて通勤しているということが判明した。なぜ彼女たちはヒールパンプスを履き続けるのか。見えてきたのは、キャリア女性だからこその納得の理由。働く女性たちの“足”を救うべく、『プレジデント ウーマン』編集部は「がまんしなくていい靴」の開発に乗り出した――。
高いヒールを履いた女性の足元
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約8割の女性がビジネスではパンプスを履いている

2020年に始まったコロナ禍。リモートワークの浸透により、ビジネスファッションにもカジュアル化の波が一気に押し寄せた。人々はより快適な服を求め、「脱カッチリスーツ」の流れに合わせ、ファッション誌はこぞって「お仕事でも、足元はらくちんなスニーカーがいちばん」と発信し続けた。そこで『プレジデント ウーマン』編集部では、実際にキャリア女性たちの「通勤靴」にも変化が見られるのか、アンケート調査(※)を実施した。

(※)「お仕事ファッションへの意識」プレジデント ウーマン編集部調査。(2022年6月30日〜7月7日。『プレジデント』『プレジデント ウーマン』のメルマガに登録する、働く女性へオンラインアンケートを実施。有効回答数:1017)

“通勤時に履く靴のタイプ”では、コロナ禍においても、働く女性の約8割が「ヒール(3~5cm以上)」のあるパンプスを履いて通勤していることがわかった。

【図表】通勤時に履く靴のタイプは?(複数回答)

世間では、業種・職種によってはTシャツやジーンズも許容される一方、女性の服装規定を設けている企業もまだあるほど。特に金融系では、「(スカート)スーツ」が当たり前とされることも多く、「取引先訪問ではスーツ(ジャケット)はマスト」「営業職はスーツ一択」、色も「黒・紺・グレーと決められている」という声も寄せられた。さらに、靴も「ヒールのある革靴」と規定されており、そうした企業に勤める女性たちは必然的にパンプスを履いていると分析できる。

また、企業や職種に限らずとも、ポジションが上がるほどパンプスを履く女性が多くなることも判明。その理由は何なのか――。

キャリア女性がパンプスを履く納得の理由

見た目の印象は自身への“信頼”はもちろん、仕事、ひいては属する企業への“信頼”に直結すると、キャリア女性たちは言う。

「ヒールのある靴を履くだけで“きちんとした印象”になる」(役員)、「パンプスを履くだけで、ビジネスモードにスイッチできる」(課長職)、「ヒールパンプスなら必然的に姿勢もよくなり、脚もキレイに見える」(役員)、「大事な商談のときこそ、上質なカーフ素材でヒール5cm以上の勝負パンプスを選ぶ」(部長職)という人もいるほど。

こうした声に代表されるように、ビジネスシューズにおいて「見た目の印象」と「きちんと感」を演出できるのは「ヒールのあるパンプス」以外になく、ほかのどんな靴でも代用できないと考える人が多いことが判明。これこそが、キャリア女性たちがパンプスを履き続けるいちばんの理由であるようだ。

しかし、働く女性たちにとってパンプスの悩みは尽きない。

特に、外回りが多い営業職の女性においては、「重いバッグを抱えてパンプスで歩き回るのは、苦痛でしかない」「ヒールが高いと疲れて長時間歩けない」「パンプスを履く際は、足の痛みに耐えている」という悲痛な声さえある。

ハイヒールを脱いで、疲れた足のストレッチをしている足元
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これは営業職女性に限った話しではない。

“痛い”“疲れて歩けない”“脱ぎ捨てたくなる”……パンプスを履いたことがある人ならば、誰でも一度は経験していないだろうか。それを裏付けるのが、“ビジネスシューズに求めることは?”の問いへの回答にある。

【図表】ビジネスシューズに求めることTOP 5(複数回答)

予想どおり、「疲れない」「痛くならない」「歩きやすい」がトップ3となっている。

ビジネスシーンによってスニーカーはNG

見た目やマナーを大切にするのはわかるが、“痛み”や“歩きにくさ”をがまんしてまでもパンプスを履かなければ、信頼は得られないのだろうか……。

コロナ禍で毎日革靴を履かない生活が3年。海外では当たり前だったスニーカー通勤は、ようやく日本の働く女性たちにも浸透してきたように思えるが、キャリア女性たちはビジネスシーンでのスニーカー着用をどう思っているのだろう。

街の階段を歩きながらコーヒーを飲む女性
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【図表】ビジネスシーンでスニーカーを履くことをどう思う?(複数回答)

「トータルで違和感がなければOK」「快適さを優先すれば妥当な選択」とする一方、「業種・職種によってはNG」「取引先に行くときは履かないでほしい」「社内ならOK」という意見もある。「取引先を訪問するのに、スポーティーなスニーカーだと失礼」と、相手に対する礼儀を重んじる声は多く、マナーの観点からもスニーカーを履かないという人も。

また、たとえスニーカーやフラットシューズで通勤しても「面倒だけれど、職場でヒールのあるパンプスに履き替える」という女性も多数いる。

そこで、『プレジデント ウーマン』編集部では、どんなにビジネスファッションがカジュアル化したとしても、ビジネスシーンによっては、まだまだスニーカーやフラットシューズ自体が周囲から許容されにくく、痛みをがまんしながらヒールのあるパンプスを履き続ける女性が多くいることに注目。

「男性と違って、スーツにスニーカーはどうにも合わない」
「フェミニンなパンプスは好きだけれど、足が痛くなるし、長時間歩けないのがネック」
「ビジネスシーンでも履けるもっと快適でおしゃれな靴が欲しい」

こうした声に応えるべく、編集部では、どんなシーンにも違和感なく合い、スニーカーのような快適さを装備した“痛くないパンプス”の開発に着手した。

しかし、キャリア女性たちは、“ただ快適なもの”では満足できないのは、創刊以来、長年にわたる取材からも明らか。

理想のビジネスシューズに不可欠な5つの条件

そこで、編集部では、キャリア女性にとって不可欠なビジネスシューズの条件5つを導き出した。

キャリア女性のための理想のビジネスシューズの条件5
1 軽くて疲れない
2 スニーカーのような快適さ
3 フェミニンかつ、おしゃれ
4 晴雨兼用などの機能
5 スーツスタイルにも違和感なく合う
コラボビジネスシューズ
撮影=浅井佳代子

当たり前ともいえる条件を満たす、これまでありそうでなかったキャリア女性のための“理想のビジネスシューズ”とは――。その全貌は、こちらで明らかに!