期限内に仕事をしてくれない人に、どんなリマインドメールを送れば効果的か。多くの企業で業務改善のコンサルティングを行う岡田充弘さんは「リマインドすること自体を忘れないようにToDoに組み込むこと、相手が圧を感じないように配慮し表現を工夫することが重要です」という――。
ノートパソコンから送信するメールのイメージ
写真=iStock.com/tolgart
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期限を設定することは仕事の大前提

あなたは誰かに仕事をお願いする時には、希望期限を伝えるようにしていますか?

簡単な仕事や気心知れた相手であれば、あえて期限を明確に伝えていないかもしれませんね。誰だって無駄に嫌がられたくないでしょうし、もちろん私だってそうです。

ただ、期限を設けずなんとなくでやっていると、意思疎通できている間柄であればまだしも、付き合いが浅い上に期待値がズレた場合には大きなトラブルに発展しかねません。

なので期限は必要です。しかし、なかには「○日までにお願いします」と期限を伝えているのにもかかわらず、悪気なく遅れてしまう人もいます。そういった事態を避けるためにもどこかのタイミングで「リマインド」をかけることが必要になってきます。リマインドとは「念押し」や「再確認」のことと思ってもらっていいでしょう。

今回は、「仕事がデキる人が密かにやっているリマインドのコツ」についてご紹介していきたいと思います。

リマインドは必ずタスクに織り込んでおく

依頼した仕事の期限をシレっとすっぽかされたり、質問のメールを送ったのに何の返信も無かったりすると、誰しも良い気はしないですよね。私も経営者になって間もない頃は、そういった感情に振り回されることが結構ありました。

今では「依頼は忘れられるもの」「期限は遅れられるもの」と思ってリマインドをすることを前もってタスクに入れておくようにしています。

リマインドをするタイミングは通常期限当日に設定しますが、足の長い仕事であれば期限前に一度「困り事は無いですか?」といった感じで軽くリマインドしておき、期限当日にも「大丈夫そうでしょうか?」と念押しでリマインドすることで、納期遅れや無返信といったことが確実に減ります。もちろん、先方から事前に途中報告や期限当日に返信があればリマインドの必要はありません。あくまでそれらが無い前提でリマインドすることを織り込んでおけば、双方心穏やかにいられるのではないでしょうか。ちなみに私は、Gメール付属のToDoリスト機能を使って、リマインドすることを自分のタスクとして期日管理しています。

気分を害さない効果的なリマインド方法

リマインドが大切なのはある程度ご理解いただけたかもしれませんが、それはリマインドする側のメリットであって、リマインドされる側にとっては時にプレッシャーになったり、不快に思ったりすることもあるでしょう。それについては、いくつかの配慮をすることで、発生確率をグッと抑えることできます。

また、そもそもリマインドが不要な人もいます。期待した品質のアウトプットやレスポンスを期日通りに返してくれる人です。こういった自立した人に頻繁にリマインドを行うと鬱陶しがられますし、下手すると一緒に仕事をしたくないと思われてしまいますので気をつけましょう。

逆にリマインドが必要なのは「仕事経験が浅い人」「付き合いが浅い人」「遅れ癖のある人」といった3タイプの人です。このタイプは注意が必要です。関係が悪くならない程度にさりげなくリマインドするよう心がけましょう。

配慮するべき3つのポイント

①「リマインド」を“圧”の少ない別の言葉に置き換える
NG例:件名に「リマインドです」、【再送】と入れる(圧を感じる表現は相手のモチベーションを下げてしまう)
OK例:「念のための確認ですが……」
【図表】“圧”の少ない別の言葉に置き換える
図表作成=筆者
②相手の感情や状況を察している旨一言付け加える
NG例:○○の件、至急ご確認お願いします。
OK例:「タイトな予定だと思いますが……」
【図表】相手の感情や状況を察している旨を伝える
図表作成=筆者
③宛名を工夫する
NG例:Toに複数の人の名前が入れる(当事者意識があいまいになり、締め切りを守る意思が弱くなる)
OK例:「○○さん、□△の件ですが……」
【図表】メールのToを複数にしない
図表作成=筆者

どうですか? 少しうまくいきそうな気がしてきませんか?

遅れそうなら代替案を示して手を差し伸べる

仕事の確実性を上げるのにリマインドは大切ですが、実際のところ相手から嫌がられる可能性はあっても好かれることってないですよね。特に約束した期限から遅れそうな場合には、相手側もなかなか言い出せずいろいろと気をもむのではないでしょうか。そんな時には、迷うことなく代替案をこちらから提示してあげましょう。一時的には遠回りになったとしても、その方が全体としてスムーズにコトを進められるはずです。

遅れそうな雰囲気を感じたら、強めのリマインドは控えて、

「このまま進んで大丈夫そうですか?」
「いろいろ同時並行してて、大変じゃないですか?」

といった感じで心に寄り添った上で、代替案を提示するようにします。

代替案は大きく3つで、

① 手段を変えてなんとか納期に間に合わせる

「たとえば、○○が変われば、間に合ったりしますか?」

【図表】手段を変えてなんとか納期に間に合わせる
図表作成=筆者
② 納期が少し遅れても目標品質を達成する

「多少納期が遅れても、やっぱり品質は落としたくないですよね」

【図表】納期が少し遅れても目標品質を達成する
図版作成=筆者
③ これを機に立ち止まって根本から変える

「どうせ遅れるなら、これを機に根本から変えてしまいますか?」

【図表】これを機に立ち止まって根本から変える
図版作成=筆者

といった感じで選択肢を示しつつ、疑問形でアプローチすることによって、自らの意志で選んでもらうように促していければと思います。

以上、「仕事ができる人は多用するリマインドメールの神フレーズ」ですが、フレーズも大切ですが、結局のところは「リマインドを忘れずすること」「相手に配慮してリマインドすること」がポイントになってくるかと思います。ぜひ参考にしてみてください。