年齢や性別、国籍、キャリアを問わず多種多様な個性を持った人材が集まるアクセンチュア。多様性を認め合い、価値を生み出し続ける文化はどのように育まれるのか。同社に中途採用で入社し、公共サービス・医療健康領域を担当するコンサルタントとして活躍する3名の女性管理職が語り合った。
※写真はイメージです(写真=Adobe Stock/naka)

働く女性の層が厚く、働き続けられる安心感があった

――転職先にアクセンチュアを選んだ理由は何でしょう。

Sayoko O.
公共サービス・医療健康本部
マネジング・ディレクター
大手日系SIerで官公庁のシステム構築・運用保守などを経験し、2009年にテクノロジーコンサルタントとして入社。2012年にマネジャー、2015年にシニア・マネジャー、2018年にマネジング・ディレクターへ昇進。

【Sayoko O.】昔の日系Slerは良くも悪くも保守的な雰囲気が強い傾向にあり、今は違うかもしれませんが、当時は社歴が浅いと意見を言いづらい空気がありました。10年、20年と経験を重ねれば自由に仕事ができる環境はあったと思いますが、私はそんなに待てなくて(笑)。もっと柔軟に、もっと早く成長したい――そう考えた私にとって、意思決定にスピード感のあるアクセンチュアは魅力的でした。

【Junko O.】風通しの良さやフラットなカルチャーがありますよね。一社で戦略コンサルティング、デジタルトランスフォーメーション、システムの開発、運用・保守など幅広い領域を持っているので選択肢も多彩。同じIT業界でシステム開発の経験を生かし、より上流の工程に携わりたいというキャリアプランを描いた私にはまさに最適でした。息子2人を育てながらマネジャー職に就いている現在は、働き方や個性の違いを認め合える環境がプラスに働いています。

【Sayaka H.】Junkoさんのように育児をしながら最前線にいる人もいれば、単身者でもプライベートとのバランスを取りながら業務に向き合う人もいる。働く女性のロールモデルが豊富で層が厚いところが、今後のキャリアについて不安を抱えていた私には大きな安心感になりました。同じIT業界でも、前職は出産や育児、傷病などで一度職場を離れたり、プライベートとのバランスを取ろうとしたりすると、戻ってくる時は業務調整のしやすい部署に異動することが多く、キャリア変更を求められる印象でした。30代、40代とライフイベントを重ねながらそれぞれの価値観で働き続けているアクセンチュアの先輩達の姿が、転職を後押ししてくれました。

多様性を好き嫌いで捉えるマネジメントは危うい

――個々人のバックグラウンドや考え方を、働き方に反映できる環境や制度があるのでしょうか。

Junko O.
テクノロジー コンサルティング本部
システムコンサルタント(公共サービス・医療健康業界)
マネジャー
日系SIerでシステム開発やセールス支援などを経験したのち、2008年に入社。金融サービス領域の部門で働きながら経営大学院に通い、その後公共サービス・医療健康領域の部門へ異動。2019年にマネジャーへ昇進。2児の母として育児にも勤しむ。

【Junko O.】私自身が経験したことでいえば、まず会社として出産・育児に手厚いサポートが用意されています。さらに、部門独自で新しい取り組みを自主的に始める社風もあります。例えば私の所属する組織では、「育休復帰サポータープログラム」がありました。育休明けの社員にとって、復職後1年間の成功体験がその後のキャリアを軌道に乗せる上で重要な期間。復職後1年間はメンターが付いて、時短勤務の中でどんなプロジェクトなら参加しやすいかを相談しながら、個々人のあった働き方を模索していきます。また、社内にワーキングマザーのネットワークもあって、仕事以外の育児の悩みを相談できるのも頼もしいですね。

【Sayaka H.】男性でもお子さんのイベントでお休みを取ったり、勤務調整したりする方が結構いますよね。「パートナーの出産予定日が近いから急に休みを取るかもしれない」「家族が体調を崩したので、ミーティング時間を調整したい」と相談されますよ。出産・育児が「女性の問題」として閉ざされず、男女問わず普段からフラットに話せる土壌ができています。

【Sayoko O.】男女を問わず、長い人生の中で働き方が変わっていくほうが自然という考え方が根底にあります。女性であれば出産や育児などのまっただ中にはペースを落としたいと感じることはありますし、お子さんが大きくなればもっと働きたくなる時期もくるでしょう。その時々で社員一人ひとりが成長していけば、成果は組織へ還元されます。

Sayaka H.
ビジネス コンサルティング本部
テクノロジーコンサルタント
マネジャー
国内のITベンダーで人事・労務業務のシステムコンサルタントを担当。退職後、渡仏などを経て2017年にアクセンチュアに入社し、テクノロジーコンサルタントとして活躍。2018年からマネジャー。

【Junko O.】男性も女性も「バリバリに働く人」しか出世できないと、キャリアの目標にはしづらいですよね。その点でアクセンチュアには育児をしながら働く男性もいれば、前線に立つ女性もいて、一人ひとり異なる考え方や強みを持って活躍していると思います。

――みなさん管理職でもあります。メンバーの働き方が多様化することで、マネジメントの難しさが増しませんか。

【Sayoko O.】多様な人材を個人的な好き嫌いで捉えているマネジメントでは危ういでしょうね。重要なのはプロジェクトに対してチームをいかに機能させるか。例えば私が担当している官公庁のお客様は、多くの場合3年に1度程度で人事異動があり、担当者が変更になればその都度、関係性を再構築し、アプローチを変えていく必要が出てきます。多様な人材、スキルを有しているからこそ、変化する状況に即応し、お客様に利益をもたらせます。ただマネジメントしやすい人材だけでは、通用しないんです。

息子2人の子育てにも奮闘するJunko。家族の時間を大切にしながら働く女性は多い。

【Junko O.】そのとおりですね。プロジェクト管理に強いメンバーもいれば、特定の技術領域に特化したメンバーなど、豊富なバックグラウンドを持った人材が集まっているからこそ、より良い成果を上げられる。これが偽らざる実感です。さらに多様な知見を得たいと思えば、部署の壁を超えて助力を求めるのも容易。多様な人材がチームになっていることが、コンサルティング力と技術力をかけあわせた強みの源泉です。

【Sayaka H.】個人事業でも成功を収められるほど優秀な人材が、あえてアクセンチュアに集っているのは、個人ではなしえない大きな課題に取り組みたいと思っているから。特に私たちが携わっている公共サービス・医療健康領域のプロジェクトは国民生活の向上に直結するシステム開発など、規模も影響力も大きなプロジェクトに関わります。だからこそ、メンバー各自の能力を理解し適切な役割を与えていくことが重要。多様性を武器として、プロジェクトを成し遂げるのがマネジャーの力だと思っています。

国境を越えた社員同士の交流が盛ん。多様な価値観がビジネスに生きている。

困難に直面している時こそ、必要な変革を促していく

――今後の展望をお聞かせください。

【Sayoko O.】アクセンチュアの強みであるデジタルテクノロジーを活用しながら、お客様の成長を支援するとともに、お客様の先にいる「生活する人々」の暮らしを豊かにすることも私たちのミッションです。アクセンチュアは以前よりフレックス制度や在宅勤務制度が整っていますので、その知見を活かしてお客様の業務改善を支援することもあります。

【Junko O.】システムコンサルタントとしての成長を自己実現で終わらせるのではなく、誰かのために役立てたい――私はそう考えて「キャリアズ・マーケットプレイス」といういわば社内の転職サイトを活用し、公共サービス・医療健康領域に携わることのできる部門へ異動しました。業務を通じて社会へ貢献できている実感が、やりがいに直結しています。昨年マネジャーに昇進し業務領域は広がりましたが、気負いすぎずに持続可能なワーキングペアレンツ像を模索していきたいと思っています。自分自身のためでもあり、後に続く女性たちのためにもなると信じています。

【Sayaka H.】組織の多様性を生かすのは、私たち一人ひとりの自覚と行動にかかっています。誰かに手を引いてもらうのではなく、自らの経験やスキルを知ってもらえるように発信力を高めていく努力も必要。特に私たちのように中途入社の場合、転職前の実績や経験はプロジェクトにおいて必ず武器になる。自ら声を上げることで、他のメンバーも多用なバックグラウンドを受け入れてくれるとともに、自身の価値を発揮できます。手を繋ぎ合える仲間を増やし、テクノロジーの力で社会を変える可能性を広げていきたいですね。

アクセンチュアでは、社員一人ひとりの活躍を支援しています。

Edit=Embody Photograph=Adobe Stock、アクセンチュア