TOEICスコアがとれても話せないのはなぜ?
「仕事で英語を使うことは、ほとんどありませんが、時折訪問される外国人のお客様に少しでも英語で説明できるようになりたい。またお客様からの質問も、通訳の方に訳していただく前に自分で理解できるようになりたいです」(中村さん)
そう話すのは、国内企業でSEとして働く中村さん。とにかく会話ができるようになりたいと、これまでもオンライン英会話、TOEIC®公式問題集、『金のフレーズ』シリーズ、DMM英会話のデイリーニュースなど、1日30分~1時間程度の自習は続けてきた。その成果もあって、直近のTOEIC®のスコアは795点! しかし、これだけの点数がとれても、中村さんは「思うようにしゃべれない」と悩む。その改善点が自分ではわからず、今回の体験レッスンでは、そのアドバイスがもらえたら、と期待する。
1日3時間のなかで4つの課題を振り分ける
体験レッスンは一週間。プログリットの考え方の説明やレベルチェックテストなどを受ける体験前カウンセリングを経て、いよいよ一週間の課題目標とスケジュールを立てる初面談である。目標やスケジュールは、すべてGoogleのスプレッドシートに記録し、担当コンサルタントの小澤さんと共有。フィードバックはLINEのほか、このスプレッドシートでも行われる。
「ビジネス英会話コース」を選んだ中村さんの課題目標は次の通り。
多読(30分)……意味理解の強化
単語(30分)……知識データベースの強化
瞬間英作文(60分)……文章化
※「ビジネス英会話コース」では、通常、3週目からオンライン英会話を毎日行う課題が追加されるそう。
シャドーイングおよび多読でリスニングスキルの強化も行うそうだ。
これらの課題目標を「いつ」「どこで」やるか、トータルの勉強時間が1日3時間になるように自分で組み立てる。
①シャドーイング(60分)
どこで:自宅
使用する教材は、TED Talksの人気のコンテンツ、Angela Lee Duckworthの「The key to success? Grit」。スクリプトを渡されるが、スクリプトは見ずに、1時間あたり50回程度のシャドーイングを行う。最終的にうまくできたものを録音し、担当の小澤さんにLINEで送ると、24時間以内にフィードバック(Good Pointsと改善Points)が届くという流れだ。これを3、4日続けて次の課題にいくため、1週間に進むのは2本程度。
「最初は全く聴けていませんでしたが、英語特有の音のつながりや消失を聴くことを意識しながら、ひたすら繰り返すうちに聴けるように。1日1回は提出しなければならないのがモチベーションになりましたね。間違えた発音をカタカナに直して解説してくださるなど、わかりやすいフィードバックがありがたかったです」(中村さん)
②多読(30分)
どこで:電車の中
ラダーシリーズの『銀河鉄道の夜』『シンデレラ』『白雪姫』を理解できるギリギリのスピードで読む。一冊読み終えたら、理解度や感想をスプレットシートに記録する。
「簡単ですぐに読み終わりましたが、スピードや理解度を元に、だんだんと難易度の高いものをすすめられるようです。1分でどれぐらいの単語を発するか“words per minutes”を算出するため、読んだ時間も計測していきました」(中村さん)
③単語(30分)
どこで:オフィス
この一週間で『キクタン TOEIC® TEST SCORE 600』の32daysまでを3周するのが目標。かなりボリュームの多い目標設定になっている。一週間後のテストでは、50問中45問以上、クリアできれば合格。
「量が多いので、すき間時間も使ってこなしていました。やり方は、ページの上から日本語を見ながら3回読む。それで覚えられないものは、翌日にもう一度見直す。単語の日本語の意味を意外とわかっていなかったことに気づきました」(中村さん)
④瞬間英作文(60分)
どこで:自宅
『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』という教材を使い、日本語の文章を読み、瞬間的に英文に訳していく課題。一日に12章すすめるのが目標。一週間の範囲は中学校1年生から2年生レベルまで。単語と同様に一週間後にテストがある。
「単調なので正直、これがいちばんきつかったです。シートに『きついです』と書いたら、『どうしてきついですか?』と理由を問われました。悩みを相談すると、その都度コンサル的に課題を解決いただけた印象ですね。日本語を見て即座に言えるようになるのが大切で、自分の日本語を英語になじませてください、と何度もアドバイスを受けました」(中村さん)
話せるようになった!? 実践の場で成果を実感
一週間の体験後は、再び小澤さんと面談。スプレッドシートを元に、できたこと、できなかったことのコメントをもらう。単語や瞬間英作文のテストのほか、スピーキング力をスマホでチェックできるテストVERSANTも受けた。プログリットの面談はあくまで、自習のサポートや英語力がどれほど向上したかの確認タイムであり、授業は一切しないというのが特徴の一つのようだ。
「単語と瞬間英作文のテストは、無事にクリア。VERSANTの総合点は39点でした。私の目標である“外国人のお客様に対応する”には50点あるとよいと聞いたので、まだまだこれからですね」(中村さん)
体験後は、休んでいたオンライン英会話を再開。そこで、これまでになかった手ごたえを感じたと言う。
「実は、これまでは自分の言いたいことも言えない、そもそもどうやって文章を作るのかわからない、苦痛の25分でした。でも一週間の体験レッスンを終えて、しゃべれるようになったんです。これは瞬間英作文の効果かな。聴けるようになったのは、シャドーイングのおかげなのかなと思います」(中村さん)
それでも1日3時間の自習は、かなりハードだったのではないだろうか。
「それが意外にできるなと思いました。まず移動時間はすべて勉強にあてる。これまでブログを書いたり、ボーッとSNSを眺めたりしていた夜の時間も、すべてカットして勉強に。細部の掃除など、平日の家事に時間が割けなくなった分は、休日に回すなどの工夫が必要でしたが……」(中村さん)
一週間とはいえ、モチベーションをキープするには、自分のレベルに合った目標設定と自習をサポートしてくれる伴走者がいることは重要だと感じたという。3カ月など長期のスケジュールなら、なおさら目標設定が大事になってくるようだ。
リスニングを強化して目標スコアは800点台!
この体験レッスンを通して、英語力アップのために必要なことは何だと感じたのだろうか。
「いちばん大事なのは“この学習に意味がある”と確信できること。今までは、色んな参考書に手を出しては『この自習法で本当に合っているのかな……?』と不安になり、自習のモチベーションが下がってしまうことが多かったんです。今回は面談をふまえた結果、いただいた参考書だったので『とにかくこれをやり抜こう』と信じられ、自習中に迷うことがありませんでした。学習法をプロに指南いただかない場合は、毎週のテストやVERSANT、TOEIC®などを受けて成果を確認すると良いように思います。自分が伸びていれば、この学習方法は間違えていないんだと思えて、自習を継続できそうです」(中村さん)
現在は、朝はシャドーイングとオンライン英会話、移動中は単語と瞬間英作文、夜は多読、と1時間半~2時間の自習を続けているという。次のTOEIC®の目標は830点。今回「楽しい」と思えたシャドーイングを続けることでリスニングスキルを強化し、リスニングをプラス30~40点にしたいと意気込んでいる。