その投稿、本当に大丈夫?
最近SNSのマナーが問われています。それも、私たち大人が扱うSNSのマナー違反が目立つというのです。
今の子どもたちにとっては生まれながらにごく当たり前に存在しているものでありながら、昨今では学校の授業でとりいれることもあるというSNSですが、われわれ大人にとっては比較的新しいツール。実は「わかっていない」のは大人のほうだというのです。
見た人が不快に思うような投稿を避ける、情報漏えいしない、などというのは当たり前の話ですが、まず気をつけたいのが「投稿するのが当然の行為」という思い込み。
写真を撮る=SNSにアップする、という考えの人が増えていることはたしかです。けれど、中にはそれを嫌がる人や、都合の悪い人がいるかもしれない、ということを忘れてはいけませんよね。たとえ拡散目的のビジネスであっても、きちんと相手(一緒に映っている人や場所)の承諾を得ることが大切です。
その場の“ノリ”で問題ないように思えても、アップした写真は残り続けますし、もし後に慌てて削除したとしても、時すでに遅し……なんていう場合だってあるのです。タグ付けやハッシュタグについても同じこと。リアルな人間関係同様、相手の気持ちを尊重することは、今後の信頼にもつながります。
管理職はとくに気をつけたい、ネガティブ発言について
そして意外と目立つのが、パブリックな立場にそぐわないネガティブな発言。会社の名前で発信しておきながら、その自覚がまったくないパターンです。
共感を求めるクレームじみた発信や、今自分たちがやっていることを肯定するために過去の人間関係を貶(おとし)める内容、または外面ばかり気にして知らないうちに部下のことを傷つけるような発言は、明らかに会社の評価を下げる行為。同時に自身の役職の重さや大切さを理解していないということを証明しているようなものです。
SNSが日常生活に溶け込むようになってから、発言のハードルも下がっているのは事実ですが、とくに管理職の皆さんは「会社の顔」ということをお忘れなく! たとえばちょっぴりスピンオフ的な……プライベートを織り交ぜたようなたった一個人の発言でも、外から見たら会社全体がそういう考えなのだ、と見られてもしかたありません。
ひとりスマホやパソコンに向かってポチポチと文字を打つ行為と、それが実は世界中に拡散しているという事実とではギャップがあり、SNSがあたかもプライベート空間に思えるようなときもあるかもしれませんが、それは大間違い。管理職であるならばとくに、会社、そして社会全体に対して大きな責任があり、そして自らの発言一つ一つが注目されている(もしくはされる可能性がある)ことをきちんと自覚することです。
早とちりと安っぽい正義感は同レベル!
また、ネット社会においてもっとも気をつけたいのが、そこに載っている情報が必ずしも正しくない、ということ。
あたかも事実らしく、正義感をあおるような内容が実はウソ……つまりはフェイクニュース、ということだってこれまで数え切れないほどありましたよね。見たまま・読んだままではなく、自身で事実を確認することや真実を見抜くことが、これまでよりもさらに求められている時代です。
だからこそ気軽な「いいね!」や拡散はもってのほか。自分が虚偽を発信することはないにしても、そこに同調してしまっては同じことです。誰のものかよくわからないネガティブなコメントや悪口などの書き込みについても注意が必要。顔や名前を公表せず、他人を悪く書いたり、批評家気取りのコメントは、壁に隠れながらものを投げて攻撃するようなもの。批判するときほど自分が何者であるかを公表する覚悟のない人に、他人をとやかく言う資格がないことを賢い人は知っているはずです。
SNSは、リアルに顔は合わせずとも、やはり人対人のやりとりです。責任と思いやり、そして高い意識をもつことが、SNSを活用する大人のマナーです。