そこには家族それぞれの快適な居場所がある。積水ハウスの「ファミリー スイート」は、これまでのLDKの概念を変え、新しい家族と住まいのあり方を提案する。

「戦後に浸透したLDKという間取りの考え方は、時代にそぐわなくなっているのではないでしょうか」

こう語るのは、積水ハウス住生活研究所 所長の河崎由美子さん。同研究所は「住めば住むほど幸せ住まい」をテーマに、科学的・理論的にさまざまな角度から住宅の研究を行っている機関だ。

「かつてのように、ダイニングは食事の場、リビングはくつろぎの場と、空間を機能で分ける必要はなくなっていると思います。これからの時代は、家族の多様な過ごし方を受け入れる、おおらかなリビング空間が求められるでしょう」

住生活研究所が行ったアンケート調査では、リビングで家族といるときに「一緒にすること」として、77.7%が「同じテレビを見る」、71.4%が「食事をする」と回答した一方で、「思い思いにすること」として、53.9%が「スマホやタブレットを使う」、41.1%が「PCを使う」と答えている。

「家族のだんらんを大切にしたいという思いは、いつの時代も変わらないでしょうが、多忙な日々を送るファミリーにとって、家で過ごす時間はとても貴重です。タブレットを見たり本を読んだりもしたい。その場所がリビングになっているようです」と河崎さんは言う。

[心地よい居場所をあちこちに]

家族が思い思いに過ごす幸せな大空間「ファミリー スイート」。
大空間を利用して、変化のある暮らしを楽しみたい。時には気軽に友人たちと食事を楽しむ。
部屋の内外を一体的に使い、自然を感じながら体を動かす。
 
左/明るい光を感じながら朝ごはん。 中/夜は床座になって、白い壁をホームシアターのスクリーンにして楽しみたい。 右/壁一面の本棚は、家族みんなのライブラリー。

LDKにとらわれない大空間
ファミリー スイート

積水ハウスが提案する新しいリビングのかたち「ファミリー スイート」は、“家族一緒”と“思い思い”を無理なく両立させる自由な空間だ。この場合の「スイート(Suite)」とは「ひとつながりの空間」を意味し、家族のつながりのために大切な、「LDK」という概念を脱却する大空間を指す。

「20畳を超える空間なら、家族が集まるときものびのび過ごせますし、それぞれが思い思いのことをしたいときは、お互いにほどよい距離感が保てます」と河崎さん。

さらに、窓の外には、昔の縁側を思わせる深い軒下空間が続いている。フルフラットサッシが屋内外をつなぎ、自然や街とゆるやかにつながる、心安らぐ空間を手に入れることができる。自然とのつながりを強めた空間は、疲労回復効果が高まるというデータもあるそうだ。

自然とつながるファミリー スイートの心地よさは、科学的に検証されています

積水ハウスの総合住宅研究所では実際に実物大の空間で実験を行い、リビングの居心地を研究しています。戸外の自然とつながることにより、心地よいと感じる場所が広範囲に広がる効果を科学的に検証しました。

間仕切りのない大空間を楽しく自由に使いこなす

居心地よく広がりのある大きな空間があれば、使い方は自由自在だ。例えば、子どもが小さいうちは、あまり家具を置かずに自由に走り回れるようにしておくのもいい。自宅でヨガやストレッチができるよう、スペースに余地を残しておきたい人もいるだろう。また、背の低いリビングボードや本棚でゆるやかに空間を仕切る方法もある。前出の河崎さんは、「家族がくつろげるように、ソファやベンチといった居場所をところどころに用意しておくといいですね」と語る。

住まいを、暮らしを、もっと自由に、豊かにする、「積水ハウスのファミリー スイート」。その心地よさを実感してほしい。

Edit=編集室りっか Text=萩原詩子