東京:東池袋、神奈川:東神奈川、埼玉:川口、千葉:市川
「住み替える可能性があるなら、値崩れが1番のリスク。資産性を優先したい人は、戸建てではなくマンションを選ぶべきでしょうね」とアドバイスするのは、東京カンテイ調査部の上席研究員・井出武さん。
同じ値段でも、戸建てよりマンションのほうがより都心に近く、かつ駅に近い物件が手に入る。
人気駅の駅近は中古物件でも最大178%値上がり
とはいえ、マンションの人気エリアも時代とともに変化する。将来的に価値が変わらない、あるいは値上がりが期待できるところをどうやって見つければよいのだろう。
「それを見極める重要な目安になるのが、リセールバリュー(以下RV)です。新築物件が中古流通したときの損益を示す指標で、RV100%以上のものは買い値以上で売れた“お買い得物件”といえます。中古が値上がりするほど、その場所に住みたい人が多いのです」
そこで、東京カンテイで定期的に行っているRVの調査データをもとに、10年前に売りだされた関東(1都3県)、中京(愛知県)、関西(京阪神)のマンションのうち、RVが100%を超えた物件とその最寄り駅をリストアップした(東京は上位30位、神奈川は20位まで)。
「東京では、まず立地が重視される傾向があります。都心部でいうと、山手線内の高級エリア。行政区でいうと港区。『赤羽橋』『表参道』『六本木』『白金台』『白金高輪』が狙い目です。それ以外では、青山、麻布、赤坂のAAA(スリーエー)地区。ここも例外なく高額になります。知名度が全国区なので、富裕層や資産家が『東京に家がほしい』となったとき、真っ先に選択肢に入れるのです」
有名人が好んで住む「目黒」もRVが高水準。都内屈指のお受験エリア・文京区は教育熱心な世帯に根強く支持されている。「本郷三丁目」は東京大学の最寄り駅。
2番目のキーワードは「再開発」。たとえば「品川」は9年後にリニアが開通予定。品川-田町間に新駅ができるので、ますます活性化している。
「『品川』はマイナス要素がほとんどない駅」と井出さんは断言。その近隣では「大崎」「大崎広小路」「戸越公園」あたりも狙い目という。
再開発といえば、湾岸エリアも見逃せない。駅でいうと「月島」「豊洲」「辰巳」。倉庫街だった土地にタワーマンションが林立している。
「かつては住む場所ではない、と考えられていたエリアが住宅地に一変すると、それだけで注目され、実際に地価も上がっていきます。中央区の日本橋エリアも同様ですね。日本有数の問屋街でしたが、次々とマンションに建て替わっています。『馬喰横山(ばくろよこやま)』『東日本橋』『人形町』の物件が人気です」
人口減に悩んでいた豊島区では「東池袋」がランクイン。隣の巨大ターミナル駅・池袋の周辺で再開発が進み、ここもタワーマンションがそびえるエリアに変貌しつつある。
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