忙しい人も続けられる! あなたに向くのはどれ?
赤字家計から脱出したら、次に「毎月一定額以上を着実に貯められる状況」をつくりたい。FPの畠中雅子さんによると、貯金の目安は1人暮らしで「手取りの10%」、共働き・2人暮らしで「手取りの15~20%」程度だという。
肝心の貯める方法だが、畠中さんのおすすめは、基本中の基本である給与天引きでの先取り貯金だ。
「手元にお金があるとつい無駄遣いしがちな人は、先取り貯金で『貯まる仕組み』をつくるのがベター。先に貯金を確保すれば、あとは残金をやりくりするだけですみます。もっとも、貯金を簡単に引き出せるようにしておくと、取り崩ししがちになるので、引き出しにくい状況にして貯めたほうがいいでしょう」
先取り貯金(貯まる仕組み)には種類があるので、自分に合ったものを探してほしい。ただ、会社員で勤務先に「財形貯蓄」の制度がある場合は、まず財形から始めるといいだろう。
ネット銀行ならよりお得に貯まる
勤務先に財形貯蓄制度がない場合は、銀行などの「自動積み立て」を利用する手もある。自動積み立てとは、毎月定額を普通預金口座から定期預金口座に振り替えることで貯めていく仕組みだ。
「自動積み立ては大抵の銀行などで取り扱っているので、給与振込口座がある銀行で利用してもOK。ただ、メガバンクなどの実店舗がある普通の銀行は、低金利がネック。
先に出てきた財形も、金利はメガバンク並みで、かなり低いです。そのため、メガバンクよりも高金利なネット銀行に移して貯めたほうが、お得です」
ネット銀行で預金するときに便利なのが、一部のネット銀行が実施している「定額自動入金サービス」。たとえば、A銀行で定額自動入金サービスを利用した場合、別の銀行口座のお金を、手数料無料で毎月自動的にA銀行の口座へ入金できる。
「また、ネット専業ではありませんが、今は多くのメガバンク、地銀でネットバンキングサービスを実施しています。一部の地銀ではネット支店を設立し、その地銀の実店舗に足を運べない人たちでも、利用できるようにしています。
なかには、ネット専業銀行以上に高金利の定期預金を用意していることもあるので、選択肢に入れる価値はあると思います」
3つの貯まる仕組みを徹底解説!
<財形貯蓄>
▼これから家を買うなら「住宅財形」、目的がないなら「年金財形」を選ぼう
財形は「一般財形」「住宅財形」「年金財形」の3種類。住宅財形、年金財形と違い、一般財形は目的がなくても加入できる。ただ、住宅財形と年金財形は、元利合計550万円までなら金利非課税。よって、目的がない場合も、一般財形ではなく年金財形を選択しよう。どの財形の利用者でも、住宅を買うときに「財形住宅融資」を受けられる場合があるので、これからマイホームを買う人はチェック。
<地銀ネット支店の定期預金>
▼金利はメガバンクの30倍も!? 楽しい名前のネット定期が狙い目
地銀は原則として、その地域に暮らす人、企業を相手とするが、地銀のネット支店であれば誰でも利用でき、申し込みもネット上で完了。「ネット支店は高金利な定期預金など、特色ある商品を取り扱うところが多いですが、なかでも金利の高さで目立っているのは『トマト銀行』『愛媛銀行』『香川銀行』など。なかにはメガバンクの30倍の金利がつく商品もあるので、預け先の候補に」(FP 畠中雅子さん)
●スペシャルきびだんご定期預金
〈預入金額〉1万円以上100万円まで
〈1年もの定期預金金利〉0.25%
<愛媛銀行 四国八十八カ所支店>
●100万円限定だんだん定期預金
〈預入金額〉100万円1口のみ
〈1年もの定期預金金利〉0.30%
<香川銀行 セルフうどん支店>
●超金利トッピング定期預金
〈預入金額〉10万円以上100万円まで
〈1年もの定期預金金利〉0.25%
※金利は2016年11月1日現在のもの。
<定額自動入金サービス>
▼メインバンクから自動的に金利の高いネット銀行へ資金を移動
他行口座から、毎月決まった日に決まった金額を引き落とし、自動的に入金するサービスを「定額自動入金サービス」と呼ぶ。いまのところ実施している主なネット銀行は、住信SBIネット銀行、ソニー銀行、じぶん銀行など。いずれも1万円から入金の指示ができ、手数料無料なのも共通。自力で移動させると毎月手間がかかるが、この入金サービスを利用すれば移し忘れナシ。
●じぶん銀行「定額自動入金サービス」
●ソニー銀行「おまかせ入金サービス」
●住信SBIネット銀行「定額自動入金サービス」
ファイナンシャルプランナー。マネーライターを経て、1992年より現職。新聞、雑誌、ウェブサイトなどに多数の連載を持つほか、セミナー講師、講演、個人相談、金融機関のアドバイザー業務、金融関連の調査業務、公的機関のアドバイザー業務などを手掛ける。近著に『サヨナラ お金の不安』(主婦の友社)がある。