Type2:子どもあり夫婦Bさん●目標額は5年で2000万円
38歳。大手メーカー人事部の総合職正社員。会社員の夫と、8歳、6歳の娘2人の4人家族。年収600万円、世帯年収は1200万円。
<Bさんの現状>
▼3年前にマンション購入。夫婦でローン返済中
6000万円で購入した東京・杉並区のマンションに住む。夫婦でローンを返済中。通勤にも子育てにも最適な場所だが、返済負担はやや重いと感じている。
▼子どもとの時間もほしいし勉強もしたい
日々の生活に追われ自分の時間がない一方、子どもとの時間はこれだけでいいのかと悩んでいる。通勤時間にはスキルアップのために読書や勉強。
▼娘には中学受験も留学もさせたい
長女は公立小学校に入学させたが、この先、私立中学受験をさせたい。将来は留学もさせたい。娘2人には英語とスイミング、ピアノを習わせている。
<Bさんの現在の家計簿>
(1)できあいのものに頼ることも
夕方の会議や出張が入ると夕飯を作るのも難しく、デパ地下やスーパーの惣菜に頼ることもあり。知らず知らずのうちに食費が増えているのが現状。
(2)主な支出は子どもの習い事費
次女の保育園料に加えて、英語、スイミング、ピアノなどの習い事費が2人分かかっている。これから長女が塾に行くようになると、もっとかかるかも。
(3)毎月自由になるお金は夫婦各4万円
月々の給料から4万円ずつ、ボーナスから10万円ずつ取り分けている。ランチや飲み会のお金は、それぞれここから捻出。立場上、部下にごちそうすることも。
<Bさんの未来の家計簿>
▼貯蓄額が年間404万3750円に!
(1)現物件がいくらで売れるか次第ですが、このケースでは4000万円程度の物件に買い替え。
(2)できあいはやめて、なるべく自炊。夫婦で、お弁当を持参することも考えて。
(3)節約には家族の協力が不可欠。節電、節水は声がけを徹底。
(4)不要な習い事はカット。英語などはオンラインで安く学べます。
(5)帰省費用がかかりがち。親に会うのが目的なら、来てもらうという手も。
(6)それぞれ半分に減らして。飲み会は持ち寄りなど、お金のかからない方法で。
▼思い切って郊外に“教育疎開”を! 教育費が大幅にダウンします
まず考えたいのは住居費。すでに家を買っていますが、年間400万円ためるなら家を買い替えるしかないでしょう。現在は6000万円の物件で5000万円のローンを組んでいますが、これを安い物件に住み替えて3000万円以下のローンに下げる。そうすると、エリアもかなり変わりますね。
また現状、子どもの教育費もメリハリが利いていない状態。習い事も周囲に合わせてやっているのではないでしょうか。たとえば、中学受験をさせたいと思ったら、ピアノはやめて、塾に行かせるなど、メリハリの利かせ方が重要。他人の目を気にしすぎると教育費はかかります。
ただし教育費が高いのは、都心部の現象。公立の強い地域に“教育疎開”すれば、住居費も教育費も格段に下がります。習い事ばかりやらせるという雰囲気もなくなります。勇気のいる選択ですが、何かを譲れないなら、何かを削るしかありません。
さらに共働きは食費がかかりがちですが、ここはしっかりと自炊をして減らします。水道光熱費もダラダラと使っている可能性があるので、意識して2万円以内を目指す。電気やガスの会社やプランを見直すのはもちろん、冬場はオイルヒーターでなくエアコンにする、床暖房を使わないなど、家電の使い方も見直しましょう。
このまま頑張れば、子どもが中学校入学前に2000万円たまっていますので、教育費もしっかりとかけられそうですね。
1. やはり真っ先に減らしたいのは住居費
年間400万円ためるのに、月14万円の住居費はかかりすぎ。持ち家ですが、思い切って安いエリアに買い替えることをおすすめします。
2. 食費を減らす工夫が必要です
共働きは忙しくて手の込んだものが作れないため、どうしても食費がかさみがち。自炊を心がければ食費もダウンするはず。
3. 習い事費はこれぞというものを選んで
「周りがやっているから」という理由で始めると、習い事費は青天井に。よい教育を受けさせたいなら、わが子に合うものを見極めて。
Type3:子どもなし夫婦Cさん●目標額は5年で3000万円
44歳。PR会社に転職入社。前職は大手企業で広報を担当していた。会社員の夫+愛犬と暮らしている。年収800万円、世帯年収は1500万円。
<Cさんの現状>
▼住宅ローンはそろそろ終わる
目黒区の自宅マンションは若いうちに買ったので、あと6年でローンが完済する予定。車はあるが、夫は出張で飛び回っていて、ほとんど乗っていない。
▼自宅にしょっちゅう友人を招いてパーティー
ワインや日本酒が好きで、よく友人を招いて自宅パーティーを楽しんでいる。いつ人が来てもいいように、家はキレイに。整理整頓はプロの域。
▼親は元気だけど介護も視野に
親は70代でまだ元気だが、そろそろ介護のことも考えないといけない。起業すれば自分の時間をコントロールできて介護もしやすくなる……?
<Cさんの現在の家計簿>
(1)駐車場代2万円を含みます
月々の駐車場代2万円を含んだ金額。車は現金で購入したので、ローンの支払いはなし。現状、1カ月に2、3回しか乗らないので、もったいない気もしている。
(2)ガソリン代プラス車の保険料も
保険料やガソリン代、車検代など、車にかかるお金が平均すると月に3万円程度。そのほか2人分のスマホ代やプロバイダー代など、通信費がかかっている。
(3)こんなにいらない?
生命保険は2人とも若い頃に入ったまま。見直したいと思いながらも、つい面倒でそのままに……。もはや中身については、ほとんど覚えていない!
<Cさんの未来の家計簿>
▼貯蓄額が年間594万4125円に!
(1)一気に住宅ローンを繰り上げ返済し、住居費をゼロ円に!
(2)車を手放したことで、駐車場代の2万円が節約。ボーナス支出は固定資産税。
(3)自炊中心でシンプルな食事にすれば、1人3万円でも余裕です。
(4)車を手放したことで車の維持費がカット。トータルで半分に。
(5)2人の保険を見直して、医療保険はカット。死亡保険だけ残しましょう。
(6)夫婦それぞれ月々のお小遣い8万円→5万円、ボーナス15万円→10万円に削減。
▼住宅ローンは繰り上げ返済。車も手放しましょう
もうすぐ住宅ローンが終わるとのこと、まずは繰り上げ返済で完済しましょう。住宅ローンを完済することで、いったん貯金は減りますが、そこから先は年間約600万円ずつたまるので、すぐに取り戻せるでしょう。また車を持っていると、駐車場代やガソリン代、保険料、車検代など、平均すると年間60万円ぐらいかかりますので、これも思い切って手放す。そうすれば、一気に固定費を下げられるでしょう。
さらに保険ですが、これだけ貯金があれば医療保険がなくてもやっていけます。もし入るなら、がん保険か、亡くなったときに多少出る、掛け捨ての死亡保険で十分。とにかくこのタイプの方は、まずは固定費から減らすという王道の見直しをすれば、かなりためられます。起業にも親の介護にも備えられるでしょう。
そのうえで、食費やお小遣いなど、やりくり費の節約を考えましょう。このタイプの方は交際範囲が広くおつき合い費が増えがちなので、ここはしっかりとコントロールしたいところ。働いたぶんだけ使いたいのはわかりますが、それによって将来の資金繰りが苦しくなるのは先述したとおり。年齢的にも食べたいだけ食べる、飲みたいだけ飲むという生活は、体によくありません。なるべく粗食にし、このタイミングでお酒も減らす。お金だけでなく、健康も管理していくことで、おのずと食費が抑えられるはず。支出をコントロールする技術さえ身につければ、あとはなんとでもなります。
1. 住宅ローンを完済し固定費を一気に下げる
残り1000万円の住宅ローンを完済することで、固定費がぐっと下がり、そのぶんを貯金に回せます。住居費がゼロ円になるのは大きい!
2. あまり乗らない車は手放すのもあり
維持費のかかる車は金食い虫。あまり乗らないなら、手放すことをおすすめします。必要なときは、レンタカーやカーシェアを利用しては。
3. 保険を見直し死亡保険だけに
夫婦で3万円はかけすぎでしょう。貯金もあるので、医療保険はカットし、死亡保険だけ残しましょう。これで、夫婦で月1万円に。