BECプログラムとは
BECプログラム(Business English Communication Program)は、実際のビジネスシーンで使える英語を身に付けるための講座。少人数のクラスで、UCLA Extension公認の講師から丁寧な指導が、約3カ月間集中して受けられる(「週1回(3時間)×10週」が基本)。
期間中は、予習→授業→課題→添削のラーニングサイクルのもと、英語でのコミュニケーションはもちろん、文化や商習慣の違い、プレゼンの手法、会議や交渉における戦術、コツなども学べるのが特徴だ。レベルごとに5つのクラスが用意されているので、段階的に自分を高めていけるのもうれしい。
ビジネスにふさわしい表現を身に付けたい
BECプログラムは個人でも受講できるが、以前から企業内研修として導入しているのが、医療機器販売のメディコン(本社・大阪)だ。人事部の藤井友子さんはこう話す。
「東洋大学が講師を当社へ派遣してくださいます。本年度は海外との仕事に携わる社員40名がプレイスメントテストを受け、クラスのレベルとしては3段階目の“Insights”と1段階目の“Interactions”に分かれて受講しました」
藤井さん自身も“Insights”受講生の一人。学生時代に語学留学を経験し、「日常会話なら対応できた」と言うが―。
「親会社である米国メーカーとコミュニケーションをとることもあり、相手に自分の意思は何とか伝えられても、ビジネスにふさわしい表現ができていないことを自覚していたんです」
米国へのレポートももう怖くありません
短期間で「使えるビジネス英語」を身に付けることが目標のBECプログラム。授業時間の約80%は受講生によるスピーキングに費やされることが基本だ。さまざまなロールプレイも授業に盛り込まれる。例えば海外工場の勤務時間をめぐって、グループ内で本社の法務担当者、現地の工場主、従業員の役に分かれて議論。必要な基礎知識はテキストで予習する。
「テキストは、もちろんすべて英文です。私は日ごろの仕事が人事なので、例えば財務やマーケティングの専門知識を英語で予習するとなると、そこは踏んばりどころでしたね」
ロールプレイの進行は、講師がサポートする。テーマに沿った文化的要素を解説したり、発言が滞ると各受講生に発想の転換を促したりといった具合だ。
授業の最後には毎回必ずライティングの課題(宿題)が出され、ビジネス文書作成の実践的な学習を積んでいく。
「課題の内容は、現実の業務レポートやメールさながら。先生が全員の英作文をビジネスの現場で通用する形に丁寧に添削してくださいます。おかげでライティングも上達しました」
藤井さんには米国の親会社へレポートを提出する機会もあるそうだが、「以前に比べビジネス文書を書くことが怖くなくなりました」と笑顔を見せる。
英語脳になるくらいしっかり学べました
最終授業では、一人一人が企業を選び、業績や経営戦略などを分析・評価してプレゼンテーションを行う。
「私にはプレゼンの経験自体がとても貴重でしたね。そして、いま受講期間中を振り返ると『英語脳』になってスピーキングやライティングができていたように思います。“Insights”のクラスでは、仕事に使える英語を学び、英語でビジネススキルや異文化の知識を学ぶこともできました。海外とのコミュニケーションで、具体的にどんな表現で話し、書けばいいのか、つかめた実感があります」
一方“Interactions”のクラスは、比較的初級者が対象。土台となる語学力の向上に、より力を入れる。最終授業は同じくプレゼンテーション。人事部の担当として参観した藤井さんにも、成果がはっきり見えたという。
「受講前はなかなか英語が口から出てこなかった社員も、堂々としたプレゼンですごくよかった。英語力が伸びただけでなく、積極性や主体性が増した印象を受けました」
それはBECプログラムがもたらす、もう一つの収獲かもしれない。仕事に追われながらの予習・授業・課題……やがて迎えた各クラスの修了。この節目には、成功体験としての大きな意味もありそうだ。
「私も大きな達成感を覚え、自信になりました。いっそうグローバルな視点をもって、米国ほか海外との仕事にも取り組んでいきたいと思います」
Rab先生に聞く「BECプログラムのここに注目!」
グローバルビジネスの力を鍛える
マーケティングやファイナンスを含めたビジネス知識、世界の文化の違いなども実例を通じて身に付けられます。例えば外国とのビジネスにおいて、文化的な行き違いは大きな問題に発展しかねません。でも、事前に基本的なことを学んでおけば、トラブルを避けられる可能性が高まります!
プレゼンスピーチのコツも学べる
スティーブ・ジョブズがスピーチで使ったテクニックの一つは、おもしろい話や怖い話を途中に織り込み、聴衆の脳内のドーパミンを増やすこと。すると記憶力が高まり、直後に大事な話をすれば覚えておいてもらいやすいのです。こうした脳科学に基づく効果的なプレゼン術も学びます。
いまはシャイでもきっと変わる
日本人は英語で話すときシャイになりがち。そこでクラスをグループ分けし、聞き手の人数を徐々に増やすなどして、度胸をつけてもらいます。またボディランゲージはコミュニケーションの55%を占めるといわれます。カラダを使い、自信をもって話す方法をマスターしましょう。
語学力よりも重視するのはビジネスを成功させるコミュニケーション力です
2000年にロンドン大学東洋アフリカ研究学院、および2016年にニューヨーク州立大学バッファロー校修士課程修了。現在ロンドン大学教育専門大学院(UCL Institution of Education)教育工学博士課程在学中。東京大学大学院、国際基督教大学、上智大学などの教壇を経てBECプログラムへ。Apple Distinguished Educator award受賞、Google Certified Innovatorに認定。
今すぐ応募できる!
10月期の受講生を募集中
東洋大学白山キャンパスでの開講は、春(4月-6月)、夏(7月-9月)、秋(10月-12月)、冬(1月-3月)の年4期。現在、10月からの受講生を募集中だ。