「仕事人生50年!」といわれる時代。ずっとバリキャリで、なんていられないですよね。賢い降り方、上手な戻り方を考えてみました。

「ココロもおサイフも満たされる生き方」をハッピーキャリアと名付け、提唱する金澤悦子さん。その逆はアンハッピー(不幸な)キャリア。「両者の差は仕事と生活のバランスが取れているかどうかにあります」と話す。仕事ができて、バリバリ働いて、でも自分のための生活時間も確保しているハッピーバリキャリがいる一方で、同じように仕事ができるのに、常にストレスをため込んでいるアンハッピーバリキャリがいる。金澤さんの元には、そんなアンハッピーバリキャリが相談に来ることも多いという。

はぴきゃり代表取締役 金澤悦子さん

何を隠そう、かつては金澤さんもそんなひとりだった。「29歳になるまで24時間仕事モードでした」と振り返る金澤さんは当時、広告営業でバリバリ働くキャリアウーマン。仕事ができて部下もいて、やりがいを感じてはいたけれど、気付いたら友達はいなくなる、体は壊すで、ちっともハッピーではなかったという。「そうなって初めて、自分にとって本当にハッピーなライフスタイルは『忙しさの中に安らぎのある生活』だと気付いたんです」

では、アンハッピーバリキャリがハッピーになるためにはどうすればいいのだろう。

「このタイプは、まずワークシートを使って、仕事と生活の時間配分を振り返ってみてほしいですね」と金澤さん。現状を見つめ直したうえで、本当はどうしたいのか、理想を思い描いてみる。このとき、できそうな理想ではなく、本当になりたい理想を書くことが大事だという。

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ワークシート

次に3年後、なっていたい状態を書いて、そのために今何をしたらいいのかを考えていく。勉強時間が足りないと思っている人は、増やす努力をする。

「ただ、どこかを増やせばどこかを減らす必要があります。このとき大切なのは、減らすことに罪悪感を抱かないことです」と金澤さん。

勉強時間をつくるために、夕食がスーパーの総菜という日があってもOK。理想の時間配分が見えてくれば、おのずと取るべき行動も見えてくる。

もうひとつ大事なのは、やるべきことではなく、やりたいことをする時間を意識的に取ること。そのためには「スケジュールの中にやりたいことをする時間を埋め込んでしまうといい」(金澤さん)。それだけでもバランスの取れたハッピーキャリアへの第一歩が踏み出せるかも。

はぴきゃり代表取締役 金澤悦子さん
リクルートを経て転職。2001年転職マガジン「ワーキングウーマンタイプ(現ウーマンタイプ)」を創刊、編集長に就任。05年独立。セミナーや研修を通じて女性のハッピーキャリアを支援。