日本でも多様なキャリアの積み方が認められつつありますが、海外にはこんな異色の経歴の持ち主もいた!

舞台女優→地下鉄運転手→公務員へ

舞台女優だったアニカさんは現在、スウェーデン政府直属のスウェーデン交通管理局で調達官として働く。

【写真上】アニカさん(45歳)【写真下】養子縁組で迎えた息子のオシアン君と、夫のジェンズさん。舞台女優という華麗なキャリアから着実な人生にシフトした。

俳優仲間だけの狭い世界から転身するために、ストックホルム大学法学部に入学した。学生時代はストックホルムの地下鉄の運転手に。そこから交通・運輸関係に興味を持つようになり、フランス交通運輸大手のヴェオリア・トランスポートのスウェーデン支社で保険請求調査官や法務官として働いた。その後、同国交通管理局に転職し、ストックホルム・バイパスという大型道路プロジェクトに参画するようになった。

「仕事が大好きなんです。この道路建築プロジェクトは環境に配慮したもの。調達官として日本企業との取引も大歓迎です」

多忙な彼女は、家庭では夫のジェンズさんと家事を共有する。1人息子は開発途上国で、南アフリカ共和国に隣接するレソトから1歳11カ月のときに養子に迎えたオシアン君。「私にとって家族と過ごす時間が一番大切で、それが最高の趣味なんです」。年明けの休暇はジェンズさんとオシアン君を連れ、ジャマイカで家族だんらんの時を過ごすなど、充実した日々を送った。アニカさんによれば、今スウェーデンで一番流行っていることは貧しい人たちのために貢献したり、ボランティア活動をすることという。