携帯電話会社 大手3社は、2014年から通話料を一定にする料金プランに移行

先月(2015年6月17日アップ)の記事では、通信費を半額にできる方法として「格安スマホ」をご紹介しました。しかし、日本ではまだまだNTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクといった大手携帯電話会社で携帯やスマホを購入し、通信契約をする人がほとんどです。では、「格安スマホ」に換えなくても、通信費が安くなる方法はないのでしょうか。

2015年5月以降に発売したスマホ端末にSIMロック解除が義務付けられる一方で、大手携帯電話会社は、ちょうど1年ほど前の2014年6~7月頃に一斉に料金プランを見直しました。これまでは「パケ・ホーダイ」「パケットし放題」などでデータ通信部分が定額、通話料は使用した分を払う、という料金プランでしたが、新料金プランは、通話料を「カケホーダイ」「通話し放題」で定額(スマホは各社月額2700円)、データ通信部分は使った分だけかかる、というプランになりました。

昨年、料金プランが変わったときにうちの家族4人の例で試算してみたのが、表です(NTTドコモの例)。家族全体で見ると、月額7095円安くなるので、おトクです。

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家族4人の料金プラン(NTTドコモの例)

しかし、通話料(図表のBeforeの欄の基本プランと通話料を足した金額)で見ると、夫と私は2200円(ガラケーの場合のカケホーダイの料金)以上になるので、新料金プランのほうがおトクですが、子ども2人は2700円(スマホの場合のカケホーダイの料金)分も話していません(長女はまず、通話ができないデータのみのプランだったし)。

スマホになって、通話機能よりデータ通信のほうが圧倒的に大事になった

長男がスマホに替えた数年前は、彼女や友達とのおしゃべりに使った通話料が高すぎて、びっくりするほどの請求額になった覚えがあります。「ガラケーからスマホに替えると、通話料が高くなる」というのが、お金に敏感な節約家たちの共通認識でした。しかし、それ以降LINEの無料通話などが出てきて、請求書の欄の子どもたちの分の通話料が限りなくゼロに近くなってきました。

私は個人的に、「これは、通信会社は収益構造の見直しをしないといけないだろうな……」と感じていたところだったので、この大手携帯電話会社の料金プラン変更は、腑に落ちました。スマホになって、これまで携帯電話のメイン機能であった通話機能より、インターネットで情報を調べる、SNSを利用する、ゲームで遊ぶ、音楽を聴くなどのデータ通信のほうが多く使われるようになったのです。

何がいちばん安くなるか!?

格安スマホについての記事を書いたことをきっかけに、私も5月に通信費を見直しました。これまではガラケー+iPadの組み合わせで、あまり不自由なく過ごしていましたが、それぞれ本体を4年も使い、 かなり状況は変わっています。まず、ガラケーをスマホにすることを考えて、次にタブレットを今のiPadのままでいいのかを検討することにしました。

格安スマホも検討しましたが、夫や子どもたちは、数か月前にドコモの新料金プランにしていました。家族4人で使っていることを考えると、私だけ格安スマホにするより、すでに夫や子ども達が一緒に使っているシェアパック(データ通信分を家族で分け合えるサービス)でデータ通信費用をまかなったほうがいいと考え、NTTドコモでガラケーをスマホに替えました(子回線のシェアオプションの費用は、月額500円)。さらに、ソフトバンクで回線契約していたiPadをやめて、ドコモのタブレットに変更しました(スマホと同じパケットパックで通信が可能)。

私1人の通信費でいうと、ガラケー(月額4500円)+iPad(ソフトバンクの契約で月額4800円)=月額9300円(それぞれ4年間使用したので、機種代は払い済み)だったのが、スマホ(月額6200円、本体代金分割2200円含む、パケットパックは夫の回線で購入)+ドコモのタブレット(月額700円、データ通信のためのパケットパックは夫の回線で購入)=月額6900円に減りました。夫のパケット代はかかりますが……。

大手携帯電話会社の新料金プランへの移行は、自動的に行われるわけではないので、まだ旧プランのままの人もいるかもしれません。通話をあまりしないなど、使い方によっては、旧プランのままのほうがおトクな場合もあるので、新料金プランにかえたほうがおトクになる人は、見直せばいいでしょう。どちらがトクになるかは、店舗で聞くのがいちばん確実です。ただし、NTTドコモは、いったん新料金プランに換えると、旧プランには戻れないので、要注意。

さらに通信費を下げるには、ムダなアプリ6460円分を解約すること

最近は、利用料金明細の郵送が有料になり、利用料金の内訳を見る機会がなくなりました(ネットでも見られるけれど、店舗に行って申し込む必要があるなどのハードルが……)。スマホ契約時には山のようにアプリがくっつけられます。1カ月たったら解約してもよいのですが、そのままになっている人が多いのではないかと思います。

私が5月にスマホに移行する際に案内されたアプリは、全部有料になると、月に6460円もかかることになります。使わないアプリなら、本当にムダ! それに気づかせないようにするために明細書の郵送をやめたのではないかと疑いたくなるような商法です。アプリをはずすのは自分でもできますが、面倒な人は、携帯ショップで頼めば手続きしてもらえます。

私の経験では、明細書から通信費のムダを探して対策を考えてきたので、できれば数カ月に1回は、ネットでもよいので明細を確認して、使い方にムダがないかチェックしたいですね。私は月に50円かかっても、明細書を送ってもらうよう手続きしようと思っています。

これからは、家族でまとめて加入したほうが合理的になるプランや、自宅のプロバイダー料金とセットで加入したほうがおトクになるプラン、より安く同じサービスが手に入れられる格安スマホなど、いろいろなものを検討し、通信費を抑えたいものです。

通信費は、制度や料金プランの変化が早いのですが、自分が詳しくなくても大丈夫。情報誌やネットを参考にしつつ、携帯ショップでわかるまで聞く、詳しい人に教えてもらうなどで、定期的に見直していきましょう。

フリーライター 生島典子(いくしま・のりこ)
投資信託の運用会社、出版社勤務を経て独立し、2004年よりライター・編集者として活動。子育て、家計、住まい、働き方などが主な執筆テーマ。好きなことは、出産と住宅ローン。3人の子どもを助産院で出産した経験あり。