スマホ、タブレット、複数持ちはあたりまえ! 通信費の肥大化が止まらない!
あなたは毎月いくらくらい通信費を払っていますか?
通信費には、固定電話代、携帯電話代、パソコンのプロバイダー料金などが含まれます。今では家族全員が携帯電話やスマホを持ち、1人でスマホとタブレットの2台持ちや、スマホと携帯の2台持ち、さらには3台以上保有している人も珍しくありません。先日、地下鉄の車内で膝の上にタブレット1台とスマホ2台を広げてゲームに熱中している男性を見かけました。
使い方にもよりますが、ガラケーだと月々の利用料金は、最低でも3000~4000円程度、スマホの場合は最低でも月額6000~7000円はかかります。夫婦と子ども全員が持つようになれば、世帯当たりの通信費は毎月数万円かかっているはず。消費税アップなどの負担増を考えると、できるだけ支出は抑えたいところ。なかでも増え続ける通信費は、減らす工夫をすべき部分といえます。
家計の見直しのなかでも、いちばん情報収集がカギになるのが通信費です。最近の動きとともに、通信費の見直しを考えてみましょう。
2015年5月からの「SIMロック解除義務化」で変わる!?
一般的に、携帯電話を使いたい場合は、NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクといった大手携帯電話会社の店舗で携帯電話やスマホ本体(端末)を選んで、その会社のSIMカードをセットで買って通信契約を結びます。これまでは、大手携帯電話会社で買った端末にはSIMロックがかかっていて、他社のSIMカードに差し替えて使うことができないものが大半でした。しかし、2015年5月以降に発売される端末にはSIMロック解除が義務付けられたため、解除を申し出れば、他社のSIMカードに替えて使うこともできるようになります。
つまり、A社店頭で買った端末でも、B社のSIMカードを差して使うことができるようになるのです。その場合、通信費はB社に払うようになりますが、端末代金の分割分が残っていれば、それは端末を買ったA社に払わないといけません(このときに割引制度などが使えなくなる場合も)。
SIMロック解除を義務付けた総務省の考え方は、「SIMロックにより、端末を変更せずに通信事業者を変更したり、海外渡航時に現地国のSIMカードに差し替えて利用できないことは、利用者の利便を妨げている」というもの。これまでの大手携帯電話会社による顧客囲い込みを崩す一助となるのでしょうか。
最近話題になることが多い「格安スマホ」って何?
最近話題の「格安スマホ」とは、SIMフリーのスマホ端末に、「SIMカード」という通信をするためのカードをセットして使うもの。毎月の通信費だけで比較すると、音声通話付きプラン(普通に通話もデータ通信もできるもの)で月額1000~3000円台。データ通信のみ(通話なし)のプランなら、月額1000円程度で使えるので、大手携帯電話会社の通信費の半分以下になります。
SIMフリー端末やSIMカードは、家電量販店やネット通販などでそれぞれ購入できますし、SIMロックが解除された端末があれば、SIMカードだけ買って、「格安スマホ」にすることもできます。好きな端末を買って(もしくは手持ちの端末をSIMロック解除して)、契約したいプランを持つ事業者のSIMカードを買って、自分でセットすればいいのです。通信のための料金は、SIMカードを販売している通信事業会社(MVNO)に払います(開通手続きを行う際にクレジットカード番号などを登録する)。MVNOには、日本通信やIIJ、OCNなどたくさんの事業者があります。
格安スマホの選び方と注意点
SIMカードを購入する際には、プランの選び方に気を付けましょう。一般的なスマホと同じように通話もデータ通信も利用する人は、「音声通話付きプラン」を選択。携帯電話番号ポータビリティで、今までの携帯番号を使うことができます。基本料金とは別に30秒に20円の通話料がかかります。少し割高なので、無料通話ができるLINEやIP電話アプリなどを使って上手に節約を。NTTドコモ、au、ソフトバンクなどの大手が自社で設定している携帯アドレスは使えなくなります。アドレスは、Gmailなどの無料メールサービスのものを使う場合が多いよう。
「データ通信専用プラン」は、一番シンプルで安いプラン。月額900円台から利用できる会社も。高速通信の上限容量や、容量が月次か日次かなどがチェックポイントです。
通話はしないけれど、LINEは使いたいという場合は、「SMS(ショートメッセージサービス)付きプラン」が便利。LINEの本人確認の際に認証番号を受け取るためには、FacebookアカウントかSMSが必要だからです。
格安スマホといっても、端末の機能や使い方はほとんど変わりません。しかし、1万円以下の端末はスペックが見劣りするので、SIMフリー端末を購入する場合は、3万円程度のものを選んだほうが無難。安く買えても、アプリがちゃんと動かないなどのトラブルがあると、イライラしてしまいますからね。
大手携帯電話会社といちばん違うのが、MVONは、ほとんど店舗がないこと。設定時やトラブルのときなどは、サイト上の説明を見るか、電話で問い合わせることになります。
店舗がないことが不安な人は、スーパーのイオンや、ビックカメラ、ヨドバシカメラなどの家電量販店の店頭で格安スマホを入手する方法もあります。これらの会社は、MVNOと提携して、格安スマホを店頭で扱っていて、対面で説明してもらえます。なかでもイオンは、2014年4月に分割の端末代金+SIMカード(通信費)で月額2980円~という低価格で格安スマホを販売して以来、注目されていて、第3弾、第4弾と定期的に発売されています。場所柄、買い物ついでに立ち寄れるので、主婦層に人気が高いよう。
Y!mobile(2015年4月よりソフトバンクモバイル)は、「ガラケーからのスマホデビュー」として訴求。テレビCMなども使い、無料通話がついた基本使用料月額2980円という低価格をアピールしています。
格安スマホにすると、確かに通信費は半分以下になります。しかし、これまであまり普及してこなかったのは、端末や通信プランを自分で選び、SIMカードをセッティングしなくてはならないから。携帯電話に詳しくないと、ちょっとハードルが高いと思ってしまうかもしれません。今回、大手携帯電話会社へもSIMロック解除が義務付けられたことをきっかけに、今後は格安スマホを使う人が増えてくると期待されています。
「そうは言っても、大手携帯電話会社が安心」という人もいるでしょう。
さて、次回(来月)は、大手携帯電話会社が1年ほど前から導入している新料金プランについてみていきましょう。ここにも通信費を減らすポイントがありそうです。
投資信託の運用会社、出版社勤務を経て独立し、2004年よりライター・編集者として活動。子育て、家計、住まい、働き方などが主な執筆テーマ。好きなことは、出産と住宅ローン。3人の子どもを助産院で出産した経験あり。