子どもに絵本を読んであげたいけれど、絵本選びが難しい

読書の秋。しかし、最近はあまり紙の本は読まれないようで、大学生の約4割は読書時間がゼロであることが、全国大学生活協同組合連合会の「第49回学生生活実態調査」で明らかになりました。読書習慣を身につけさせるには、子どものうちから絵本に親しむことが大事なのではないかと思います。

子どもは、絵本に対して大人と違った興味の持ち方をします。大人は同じ本を何度も子どもに読まされると飽きてきますが、子どもは何度でも同じところで笑います。子どもは、知っているお話だと安心してその世界を楽しめるのだそうです。心や言葉を豊かにするためにも、できるだけ多く読み聞かせをしてあげて、本に親しむ習慣をつけたいですね。

しかし、働く親は忙しく、膨大に出版されている絵本の中から1冊を選ぶのは困難ですし、子育て中は本屋でじっくり絵本を選ぶ時間もとりにくいもの。それに、地方では近くに絵本が充実した本屋がないという場合もあります。しかも、どんな本が子どもの成長段階に合っていて、子どもが喜ぶのかわからない、という悩みも。また、親の好みばかりで選んでは、同じ傾向のお話や作家の本が多くなり、バリエーションがつきにくいという欠点も。そこで利用したいのが、絵本の定期購読サービスです。

これは、入会の申し込みをしてコースを選べば、子どもの年齢に応じた絵本が毎月定期的に送られてくるものです。いろいろな会社で同じようなサービスを実施しているので、主なものをご紹介しましょう。

月に1300~3400円程度でセレクトされた良書が届く仕組み

絵本ナビは、年間800万人が利用する絵本情報サイト。絵本ナビの「絵本クラブ」は、「幸せな時間」をコンセプトにした絵本の定期配本サービスで、何十年もの間子どもたちに愛されてきた名作を中心に、新刊まで含めて家庭でそろえておきたい良書がセレクトされています。入会の申し込みをし、0~6歳までの年齢別コース、小学生の学年別コース、大人コース、パパが読むと楽しさが増す絵本のコースなどから選びます。毎月2~3冊の本が、2100~3400円(+税)程度で届きます(3~4歳コースの場合)。1500円以上なら送料無料。12カ月分をまとめて一度で受け取ることも可能。あらかじめ配本リストを見て、入れ替え・追加ができるし、すでに持っている絵本は外して注文できます。絵本を手放す場合は購入価格の最大30%のポイントバックで引き取ってもらえるのも魅力。ポイントで次の本を買う、寄付するなどができます。

落合恵子さんが主宰する子どもの本の専門店・クレヨンハウスでも、ブッククラブ「絵本の本棚」という絵本の定期便を行っています。開店以来38年の経験と確かな視点で選ばれた絵本が毎月届きます。会員になると、子どもの本の情報が満載の「クレヨンハウス通信」(年間購読料3600円)が無料でもらえる特典も。コースは、赤ちゃんから小学校6年生までの年齢別コース、ユーモア絵本・大人のための絵本・英語絵本コース、年齢別の新刊コースなど、多彩な24コースが用意されています。毎月1~2冊で1300~2500円程度(+税)に(3~4歳コースの場合)、送料が330円。日中不在の方は、オフィスへの配達指定もしてもらえます。

絵本の専門店・こそだてナビゲーションも、毎月お届けの定期購読「ブッククラブ」を行っています。20年以上出版され続けている絵本、全国の公立図書館から支持されている絵本、この2つのリストを参考にセレクトされたもので、子どもに必ず出会ってほしい絵本だけを選んだ「これなら安心の絵本」がラインナップされています。0~6歳以上までの年齢別コース、3段階の童話コースがあり、毎月2~3冊で2000~2600円程度(消費税含む・3~4歳コースの場合)。送料は無料。一度にまとめて送られてくる、おすすめ絵本セット(年齢別、昔話絵本、科学絵本、胎教のための絵本)もあります。

絵本と子どもの本の出版も行う童話館グループの「童話館ぶっくくらぶ」の配本コースは、1982年の発足以来、32年の実績と経験があり、多くの会員を抱える配本ネットワークです。0~15歳までの年齢別のコースと大人のための絵本のコースがあります。毎月2冊からが基本(1冊も可能)で、毎月平均2500円前後(消費税含む)、送料は一律200円。全体の3割ほどの本が会員特別価格で定価より100~700円ほど安くなります。子どもが2人以上いる家庭には、別のコースから1冊ずつ届けることもできます。サイトで公開されている配本リストは一部で、年間の配本リストは初回の配本時に同封される仕組み。

いずれのサービスもいつからでも申し込め、コース変更や中途退会も自由。退会しない限りは、次の年齢のコースへ自動更新される仕組みが多いようです。すでに持っている本は、ほかの本に換えることが可能。祖父母や親せきなどからのプレゼントという形でも配本OKです。ネットから申し込むので、各サイトを比べて、好みに合った利用しやすいサービスを選択してください。

月に500円程度でOKの絵本雑誌の定期購読も!

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主な絵本の定期購読サービスの比較

ほかにも、500円程度で読める定期配本の月刊絵本もおすすめです。ハードカバーでないので、薄くて軽い仕様のペーパーバック絵本ですが、各社そうそうたる絵本作家の方の作品が並び、内容ではひけをとらない質の高い絵本となっています。

絵本の出版社として有名な福音館書店の『こどものとも』は、0~6歳の年齢別に4段階あり、毎月420円+送料(80~100円)の500~520円。取り扱いのある幼稚園・保育園か、書店を通して、またホームページから通販でも購入可能。

もうひとつは、アンパンマンシリーズをはじめとするたくさんの絵本を出版しているフレーベル館の「おはなしえほん」。定期購読の月刊誌で、1~5歳の年齢別に3段階あり、毎月390円+送料160円の550円。取り扱いのある幼稚園・保育園か、フレーベル館が運営する公式サイト「おうちでキンダーブック」から申し込みを。

絵本の読み聞かせは、親子の大事な時間

子どもをひざに乗せて本を読んでやる時間は、親子のコミュニケーションの時間でもあります。せっかくのその時間を親子ともに楽しめるように、今回ご紹介したような絵本の定期購読サービスを利用してはいかがでしょうか?

※各社の情報は、2014年10月16日現在のホームページに掲載されているものを参考にしました。

フリーライター 生島典子(いくしま・のりこ)
投資信託の運用会社、出版社勤務を経て独立し、2004年よりライター・編集者として活動。子育て、家計、住まい、働き方などが主な執筆テーマ。好きなことは、出産と住宅ローン。3人の子どもを助産院で出産した経験あり