誰でも資産を築くことができる最高の蓄財法
本多静六という人をご存じですか? 日比谷公園や明治神宮、奈良公園を作った方です。本多静六は日本初の林学博士で、全国各地の公園の設計を手掛けた「公園の父」と呼ばれています。そして東大教授でありながら、独自の生活スタイルと貯蓄方法によって現在の通貨価値に換算すると100億円余りの財産を築いた蓄財の達人です。
私は学生時代に本多静六の蓄財方法を知り、感銘を受けました。以来、私の資産形成の軸にしています。今回はそんな本多静六の蓄財の方法をご紹介したいと思います。
本多静六博士はシンプルな「四分の一天引き法」という方法で巨万の富を築きました。本多静六博士が提唱する「四分の一天引き法」は誰でも資産を築くことができる蓄財の方法です。
普通は余ったら貯めようと思うものですが、「四分の一天引き法」は違います。収入が入ったら、まず四分の一を先に貯蓄として取り分けます。さらに本多静六はボーナスなどの臨時収入もそのまま全額貯蓄に回していたそうです。
四分の一も貯蓄に回すなんて無理! と思った方も多いかもしれませんね。
本多静六博士は「貧乏に強いられてやむを得ず生活をつめるのではなく、自発的、積極的に勤倹貯蓄につとめて、逆に貧乏を圧倒するのでなければならぬ」と言っています。四分の一が難しければ五分の一でも十分です。
実は本多静六と同時代に活躍した安田善次郎は四分の一でなく、五分の一天引き法で安田財閥を築き上げています。大切なことはお金がないから節約生活をするのではなく、自ら計画的に貯蓄をするということ。また、余ったら貯めるのではなく、まず貯蓄に回すということです。
雪だるまの芯をつくる
本多静六は「金と言うものは雪達磨のようなもので、はじめはホンの小さな玉でも、その中心になる玉ができると、あとは面白いように大きくなってくる。おそらくだれがやっても同じことであろう」と著書『私の財産告白』の中で述べています。現代でもウォーレン・バフェットが同じことを言っていますね。
本多静六は四分の一天引きして貯めたお金を、鉄道、瓦斯、電気、製紙、麦酒(ビール)、紡績、セメントなど30種以上の業種で当時の優良株に投資していました。25歳から四分の一天引き法を始め、15年目の40歳になったときには、給与による収入より利子や配当の方がずっと多くなったそうです。『私の財産告白』の中で、「元はといえば僅かな俸給の四分の一天引きである。私はとくにここで貯金をバカにしている一部の人々にこのことを強調したい」と述べています。本多静六も最初は1カ月14円50銭の天引きから始まりました。25歳で始めた天引きの貯金がのちに、満60歳で停年の頃(1927年)には約1000万円、現在の価値で100億円以上の巨万の富に変わっていきました。私たちの毎月5000円の貯蓄、1万円の貯蓄も何年、何十年と続けることで資産に変わってくはずです。
「職業の道楽化」を目指すといい
本多静六は、資産を築くには支出を減らす節約だけでは十分ではないと言い、副業を勧めています。ただし、収入になれば何でもいいというわけではなく、本職の足しなり、勉強になる副業です。本多静六自身、大学教授でありながら他大学での講師業、企業のコンサルティングなど、多くの副業を行っていました。決して本務を怠けることはなく、働けるだけ働きぬいたそうです。
なぜここまで仕事をすることができるのかというと、本多静六は「人生即努力・努力即幸福」という人生観を持っていました。そして「人生最大の幸福は職業の道楽化」であると考えていました。仕事自体が生きがいであり、仕事自体を楽しんでいたということです。現代ではなかなかそのように考える人は少ないかもしれませんね。
また、本多静六は生涯で370冊もの著作を残しています。四分の一天引き法と同時に、1日1ページ執筆すると決めていたそうです。執筆においてもそれが雪だるまの芯となり、370冊の書籍に繋がっていったのです。現代でもブログの毎日更新など、真似できることは沢山ありそうですね。
「一番のさわりになるものは虚栄心」
本多静六は質素倹約を徹底し、四分の一天引き法を貫きました。月末になり現金がなくなると、胡麻塩だけの食事が数日続くこともあったそうです。
それでも四分の一天引き法を貫くのはなぜなのかというと、「貧乏を征服するには、まず貧乏をこちらから進んでやっつけなければならない。貧乏に強いられてやむを得ず生活をつめるのではなく、自発的、積極的に勤倹貯蓄をつとめて、逆に貧乏を圧倒するのでなければならない」と考えていたからです。
そして、「貯金生活を続けていく上に、一番のさわりになるものは虚栄心である。いたずらに家柄を誇ったり、いままでのしきたりや習慣にとらわれることなく、一切の見栄をさえなくすれば、四分の一天引き生活くらいはだれでもできる。虚栄心から多くの人が節倹できないのである」と言います。確かにその通りであると私も思います。現代ではSNSで他の人のキラキラした部分を目にすることが多くなりました。でも全て同じようにしようと思ったら、お金も時間もいくらあっても足りません。人からよく見られたいという虚栄心は捨てて、今までのしきたりや習慣にとらわれない生活をすれば、四分の一天引き法は不可能ではないと思います。
はるかにやりやすくなった「四分の一天引き法」
私自身は大学時代から、本多静六博士の四分の一天引き法を今も続けています。
本多静六博士の提唱する四分の一天引き法は、当時に比べると現代の方がより簡単にできるようになったのではないかと個人的には思っています。意志の力で四分の一天引き法を徹底するのは、SNSが発達した現代の方が難しいかもしれません。でも、四分の一天引き法のしくみをつくるのは、制度やサービスが発達した現代の方が圧倒的に簡単です。
しくみをつくることができれば、簡単に四分の一天引き法を徹底することができます。橋本流の四分の一天引き法を徹底するためのしくみづくりとは「自動で・先取り・別の場所」この3つを押さえた方法です。
そもそも余ったら貯めようと考えているようでは天引きになりません。収入が入ったら先に四分の一を取り分けます。そして、そのお金がいつでも出せる状態にあったり、生活資金と一緒の口座に入れておいた状態だと、生活費が赤字になったときに貯蓄部分を簡単に切り崩してしまいます。
意志の力は必要ない
貯蓄用のお金と生活費用のお金は別の口座に分けておく必要があります。こうして生活費とは別の場所に移しておけば、逆に生活資金の口座は使い切ってもよいということで、わかりやすくなります。
先取り分を別の場所に取り分ける際は、自分で下ろして資金移動するのではなく、給与天引きや自動振り込み、口座引き落としなど自動的に資金移動される制度やサービスを利用します。資金を手動で移動させるには意志の力が必要になりますが、これらのサービスを利用することで、自動的に四分の一天引きをするしくみを作ることができるのです。
私は学生時代に本多静六博士の本を読み、四分の一天引き法を実践し始めました。学生時代は手動でバイト代の四分の一を毎月別の銀行口座に移していましたが、その後、給与天引きで財形貯蓄をするようになり、今では自動引き落としで投資信託のつみたて投資と貯蓄型の生命保険でつみたてをしています。10年、20年と四分の一天引き法を続けてきたおかげで資産を築くことができました。
まとめ
本多静六に学ぶ貯蓄術、いかがでしたか? 仕事を生きがいにして働き、倹約して収入の四分の一を天引き貯蓄し、投資するというシンプルな貯蓄術です。仕事に対する意識は自分の心がけ次第です。インターネットの発達している現代では、副業することも天引きして投資することも簡単にできるようになりました。四分の一天引き法は、誰でもできる蓄財の方法であると言えるでしょう。収入の四分の一が難しければ、五分の一でも、十分の一でも大丈夫です。収入の一定額を天引きするということを、ぜひ始めてみてください。副業にもぜひチャレンジしてみましょう。
雪だるまの芯さえ作れば、時間がかかっても必ず雪だるまは大きくなっていきます。私自身も実証しています。本多静六博士の著書の中にはもっと詳しく投資に対する考え方も説かれています。ぜひ読んでみてください。
