男性にとって相談とは、悩み事を解決する手段です。しかし、女性にとって相談とは、「悩みを話す場」「不満を聞いてもらう場」であって、解決策を探す場ではありません。

たとえば、同窓会に行きたいのに法事の日と重なってしまい、どうすればいいかといった相談をもちかけられたとします。本人はなんとなく両方行くのは無理だとわかっている。ただ、無理だという事象を自分の頭の中で整理できていないため、口に出して言いたいのです。話しながら頭の中が整理され、話し終わったときには、すでに答えは出ています。

「上司がこんな人で……」とか、「だれだれさんのお母さんに嫌みを言われて……」といった人間関係の相談の多くも、実は愚痴をこぼしたいだけ。自分の味方になってほしいということなので、正論を説いても意味がありません。「大変だったね」と、頭をなでるのが正解です。お腹にたまったものを吐き出したことで、妻も満足して「私も悪かったのよね」と、心を落ち着かせるはずです。

つまり、妻の相談にアドバイスや意見は逆効果。どんなに的確な指摘をしても、話の腰を折られたことで妻はイライラするだけです。とにかく最後まで聞くことです。

「うん」「へぇ」「ほう」「なるほどね」というように、異なる相槌を順番に入れるのも一案。「学校に行ってきたのよ」といわれたら、「学校に行ってきたんだ」と、相手の言葉をそのまま返すなど、上手に聞き流す技術を身につけるとよいでしょう。

子供の進学や大きな買い物についての相談も、答えを求めているわけではありません。女性の場合、相手の合意をとって物事を進めたいという気持ちがあります。特に夫婦であれば、あらかじめ自分の考えはあったとしても、一緒に考えて一緒に決めたという確認が欲しいわけです。妻の考えを知るためにも、まずは話を聞く必要があります。

いずれにしても、一番よくないのは「それは君の問題でしょう」「おまえに任せるよ」「勝手にやっておいて」というように、取り合わずに突き放し、逃げてしまうことです。

男性は黙って考えて結論を出せるので、自分が相談に乗らなくても、物事は進んでいくと思うかもしれません。繰り返しますが、妻の相談は相談することが目的ではなく、話を聞いてもらうことが目的だということ。聞いてくれなかったという不満は、マイナスの感情になってたまっていきます。もらったプレゼントは忘れても、貸したお金は忘れないようなものです。

夫に相談しても聞いてくれないと思うと、そのうちほかに話を聞いてくれる相談相手を見つけるようになります。それが異性でなくても、「うちの旦那、何も聞いてくれなくて」と話し、「それはダメだよね、本来ならこうするべきなのに、もっといい人いるんじゃない」と言われると、確かにそうかもしれないと不信感を募らせることになります。

ほかの相談相手を見つけると、妻の心は安定するので、家庭では愚痴もこぼさず、必要なことだけを伝えあうという感じになります。それを、会話はなくてもわかり合えるようになったんだと思うのは大きな勘違い。夫への信頼がなくなり、夫以外に頼りになる人が現れただけ。これは熟年離婚にいたる赤信号にほかならないのです。

人間というのは話をしないとストレスがたまるものです。働いている人は日ごろから話す環境にありますが、専業主婦の場合、井戸端会議程度では話の量が足りません。それで、相談という形を借りてあれこれ言ってくる。どこかで一日分のコミュニケーション量を果たさないと、ストレスがたまるからです。

いちいち付き合うのが面倒だと思うのであれば、ペットを飼うことをお勧めします。夫の代わりに犬や猫に話しかけることで、ストレスが発散できます。また、ブログ開設を勧め、そこで発散してもらうという手もあります。

女性は話を聞いてもらうことで幸せになります。話すことで頭が整理され、自分で結論を出したとしても、聞いてくれた人に感謝する。そういう頭の構造だということを、男性は理解したほうがよいでしょう。