マーケティング課長として高い給与を約束してヘッドハンティングしたものの、全然アイデアを出さずにブラブラしている社員がいる。もう我慢の限界だから給与を半分にカットしたい――。そんな経営者からの相談が少なくない。

高給ぶら下がり社員の給与をカットしようとする場合、まず検討するのが個別同意である。労働契約法の第8条で労働者と使用者は合意により契約内容を変更できると規定されている。実務上は文書化が必要だ。

これに基づいてマーケティング課長と覚書を交わし「2012年の12月度から月給を100万円から50万円に変更することに合意します」とお互いにサインすれば、基本的には給与を引き下げられる。

しかし「私はちゃんと仕事をしています。まだ結果が出ていないだけです」と拒否されたら、個別同意による給与カットはできない。

拒否されたら就業規則の降格規定に基づいて給与の引き下げを検討することになる。ややこしいが降格には狭義の降格と降職があり、それらを実施して給与をカットするのだ。

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カットする方法は3通り

狭義の降格による給与の引き下げとは、職能資格制度を採用している企業の場合、上級職1級を2級に降格するというように、職能等級を下げることで給与をカットすることを指す。一方、降職とは部長を課長にするというように、職位を引き下げることである。降職による給与の引き下げは、たとえばマーケティング課長から係長に降職させることで、5万円だった課長手当を3万円の係長手当にするというやり方で給与カットを行うものである。

また外資系に多い、仕事の内容とポジションによって給与が変わる職務給制度を採用している企業なら、マネジャーからアシスタントマネジャーへ降格するといった形で給与を引き下げられる。