月日が経つにつれて必要な支援は変わりつつあります。私が代表を務める「ふんばろう東日本支援プロジェクト」は2011年4月から物資支援を中心に活動し、日本最大級のボランティア組織として注目されるようになりましたが、11年の夏を過ぎてからは軸足を「仕事」「教育」「心のケア」の3本柱に移して支援を続けています。

仕事についていうと、養うべき家族をなくして働く気になれない人もいます。必要なのは、単に雇用を創出するだけでなく、仕事にやりがいを見出して、ふたたび前を向くためのきっかけづくりです。そこで始まったのが、「重機免許取得プロジェクト」「ミシンでお仕事プロジェクト」「手に職・布ぞうりプロジェクト」などです。

たとえば布ぞうりプロジェクトでは、講習会を開いて商品をつくれるようになってもらい、できあがった商品は僕らで販売して、代金を受け取ってもらう仕組みになっています。

教育も深刻な問題です。仮設住宅は狭くて、子どもたちが落ち着いて勉強するスペースがない。そこで集会所や学校などを借りて、学習支援を行っています。

心のケアについては、最近ではメンタルヘルスのバックアップや人材育成ができるファシリテーターを育てていく活動も行っています。

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必要な力は「事務能力」「IT」「会計」

被災地支援をしたいが、寄付したり現地で活動する余裕はないという人もいるでしょう。ただ、お金を出したり現地で汗を流すことだけが被災地支援ではありません。

今回はじめてボランティアをやってわかったのは、事務能力の大切さです。僕らは給料を一切もらっていませんが、やっていることは社会事業なので、一般企業と同じく事務作業がいろいろと発生します。だからワードやエクセルを使いこなせたり、Webや会計のスキル、語学力を持つ人は貴重です。

「ふんばろう」は30~40代が多く、学生さんはひと握りです。ミドル層が多いのは、被災地支援に社会的な経験やスキルが役に立つことと無関係ではないでしょう。ちなみに主婦の参加者も目立ちます。もともと働いていた方も多く、力を発揮してくれています。