年収データは東京商工リサーチ。2012年6月末時点の有価証券報告書を集計。陸運業、海運業、空運業、倉庫・運輸関連に分類された126社から抽出した。業界トップは海運最大手、利益水準で国内トップの商船三井1074万(平均年齢37.8歳、従業員数940人)。

全日空と日本航空で200万円の年収差

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年収・生涯賃金一覧

全日空の平均年収は、2010年度より18万円多い832万円。「この差は、人員構成の変化によって生まれた差異であり、経営環境を反映したものではない」(全日空広報室)という。

他方、日本航空の平均年収は、全日空より200万円少ない632万円。11年度に過去最高益を記録し、復活を印象づけた日本航空だが、一度経営破綻した影響は、社員の年収に及んでいる。なお、日本航空の平均年収は10年度よりも減少しているという。「コスト削減の一環として、人件費カットを含めた新賃金制度が11年1月から始まったから」(日本航空広報部)。

ただし日本航空は12年夏、給与2カ月分のボーナスを支給。昨年度のボーナスは、夏冬合わせて給与2.5カ月分だったので、今後の業績によっては、冬のボーナス支給で年収がアップすることも予想される。(※雑誌掲載当時)

この1年の航空業界の大きなトピックスは2つ。1つはLCC(格安航空会社)3社の参入だ。全日空は大株主としてピーチに、親会社としてエアアジア・ジャパンに出資。他方、日本航空はジェットスター・ジャパンの株主になるにとどまり、両社のLCC事業展開には違いがある。とはいえ「今まで飛行機に乗ることがなかった人を新たな顧客として獲得する」という事業方針は両社とも共通し、LCCに流れる既存顧客の割合は少ないと見ているようだ。