わかっちゃいるけど取りかかれない。その心理的メカニズムを理解すれば、突破口は必ず見える。すぐやる人になるための簡単な仕掛けを紹介する。

やるべきことは山ほどあるのに、なにしろ面倒臭い。自分はダラダラしているつもりはないが、なぜか、上司からダラダラしていると叱られる……。

佐々木正悟氏によれば、これは白昼夢タイプ=デイドリーマーと呼ばれる人々の特徴であり、グズの中でも最も症状が重い。

心理学ジャーナリスト 
佐々木正悟氏

「デイドリーマーは、頭の中だけで仕事を完結させてしまう人々です。空想にエネルギーを集中し、空想の世界で達成感を得ている。本人は真剣でも、周囲から見ればただボーっとしているだけです」

たとえば机を片づけねばならないとき、デイドリーマーは、段取りを考え、机がキレイに片づいていく過程まで想像してしまう。それですっかり満足してしまうので、実際には何もしない。この一連のプロセスが頭の中で自動的に展開してしまうため、本人にもどうにもならない。

「とにかくやるべきことをすべてスケジュールに入れてしまうことです。掃除ですら例外ではありません」と言うのは平本あきお氏。「月曜の朝9時から掃除と入れておく。ほかの予定が入ったら、その都度リスケすることがポイントです」。

デイドリーマーは本人の自覚がないだけに、周囲の働きかけが大切になる。

「このタイプは、自己愛的な傾向が強いので、周囲からグズだと罵られても、それをあまり苦にしません」(佐々木)