次の予定までにひと仕事終わらせるつもりだったのに、必要な資料を探すのに手間取ってタイムオーバー。物や資料を探す時間は、ムダ時間の典型だ。どうすれば探しものにかかる時間を撲滅できるのか。

経営コンサルタントの小宮一慶氏は、「資料を取っておこうとするから、探す手間と時間を奪われる」と指摘する。

「たいていの資料は、整理して取り出すより、もう一度つくるほうが早い。たとえばトヨタの財務諸表を仕事で使ったとしましょう。それをいったんファイリングして後で探すより、使う必要が生じるたびに企業HPからダウンロードします」

不要なものは思い切って捨てるべし。これは整理術の鉄則だ。ただ、捨てていいものと、そうでないものの見極めが難しいという人も多いだろう。週末起業で知られる経営コンサルタントの藤井孝一氏は、PCのゴミ箱機能と同様に2段階で書類を処分するという。

「捨てるかどうかでその都度迷うのは、時間がもったいない。そこでデスク横に段ボールを置き、使い終わったものから順に放り込みます。段ボールがいっぱいになるまで再び使わなかったものは、二度と使わないと判断して処分。この方法なら一定期間はリカバリーが可能なので、気兼ねなく捨てられます」

最終的に処分した後で必要になるケースもごくまれにあるそうだが、「本当に必要なら誰かからもう一度入手すればいい。自分しか持っていない資料なんて、まずありません」と藤井氏。

ちなみに藤井氏は名刺も同じやり方で処分する。約3カ月分の名刺が入る箱を用意して、いっぱいになれば古いものから順に捨てていく。名刺を捨てるのは少々勇気がいるが、「いま連絡の主流はメールで、電話番号や住所が必要なときもメールの署名を見ればわかる。名刺なんて本当は必要ない」と潔い。