簡単にいったら、偏らなければいいんだよ。相手さんに対して、好きなら好き、嫌いなら嫌いで偏った感情を持つから嫉妬の心が起きるんだ。こだわりすぎるから、トラブルになるんだよ。

小さい赤ん坊を見ていてね、あんまり可愛いから、キュッとほっぺたをつねったりするおばちゃんがいるじゃないの。嫉妬を燃やしちゃうのも、そういうのと紙一重なんだな。

これは女性に限ったことではないけどね、ついこの間まで好きだといってベタベタしていたのが、何かの拍子に嫌いになると、今度はフンともスンとも言わなくなる。そういうのが高じてくると、殺し合いになるわけだ。

だから、相手に「こだわる」「固執する」ということがいけないんじゃないのかな。相手さんの「いいこと」(出世とか結婚とか)はいいことに決まっているんだけれど、あんまりしつこく関わりすぎちゃうと、別に怒らなくていいのに怒りが湧いてくるんだね。

左なら左、右なら右にこだわりすぎると、頭の中が過熱して大変なことになっちゃうの。そういうふうになったときは、一呼吸置いて、ちょっと高い位置から眺めてみる。そうすると、落ち着いてくるんじゃないのかな。仏さんみたいな立場に上がってね。

高いところからだと、両方を平均して眺めることができるじゃない。そこから見て、自分はこういうふうに言っているけれど、もしこれが反対の立場だったらどうなるのかなあと考える。

そうやって、相手さんの気持ちに自分がなればいいんだよ。他人が見たらたしかに「いいこと」かもしれないけれど、本人からすれば「あんまりよくないよ、駄目だな」ということかもしれないからね。