「お客様がお帰りになるとき、お申込みになるか、それともダメそうなのかを必ずうかがいます」

大和ハウス工業
北陸マンション営業所
小松梨華

石川県出身、島根大学卒。2004年入社。金沢支店を経て、09年9月から富山支店に勤務。

大和ハウス工業株式会社の北陸マンション営業所でマンション販売を手がける小松梨華さんはきっぱり言う。ここであえて返事をもらわず、宙ぶらりんの状態にしておく営業担当者は多い。「契約できそうな客が何組かいる」と上司に報告できるからだ。

しかし、小松さんは「もう会えないかもしれないし、どっちつかずはお客様にとっても時間の無駄」と考え、ローン計画などあらゆる説明をしたうえで、次にどうするのか明確な返事をもらう。購入をせかすのではなく、意思を確認するのだ。「断られても、そこで対応策が出ればいいし、対応策がないようなら仕方がない」。だから「早いときは翌日に成約することもあります」。このスピード感が小松さんの強みだ。

小松さんは大学新卒入社し、現在7年目。笑顔と愚痴を言わないことがモットーだ。当初、女性営業はまだ珍しく、受付と間違われたり、男性の営業はいないのかと言われたりして、出鼻をくじかれたことも。

が、いざ営業が始まると客の見る目が変わる。初年度には半期で8戸を売り、トップ争いに食い込んだ。月に16戸を売ったこともあり、現在も常にトップクラスの成績だ。的確でスピード感ある営業を支えているのが、「営業はいつもお客様の味方」という姿勢だ。客には最初にきっかけを尋ねる。

「今度子供が生まれるなど、根本的なきっかけがあるんです。でも、お客様は眺望とかローンとかいろいろ考え始めると、本来の目的と優先順位を忘れがちになります」

そうなると客は整理がつかなくなり、「やっぱりやめとく」となりかねない。

そこですかさず「お子さんが生まれるんですよね?」と元の軸に軌道修正する。「お客様の考えがぶれないようにするのが、私の役目です。営業がぶれたらお客様も迷ってしまい、結果としてお客様のためにもなりません」。