仏の有名ブランド「○ル○ス」とは?

あらかじめ言っておかねばならないが、地位が高い人間は、総じてつまらないものだ。本当に面白い人は、偉くなどなれないと認識すべし。もし読者のなかに、面白くて偉い人になろうなどという、二兎を追うことを考えている人がいるのなら、そんな考えは今すぐ捨て去ったほうがいい。面白い人間は他人から付け入れられやすい。絶対に出世コースから外される。

小泉純一郎元総理大臣首席秘書官
飯島 勲氏

さて、当たり障りのない会話をして、好印象を残したいとは、誰もが考えることだ。そこで大切なのは物怖じをしないということ。目上の人を相手にすると、どうしても緊張して、話を切り出せない人が多いのではないか。

引っ込み思案の人なら、コミュニケーション不足から、一方的な思い違いを上司にされ、卑屈になった経験を味わっていることだろう。苦しいけれど自分から話しかけるという訓練は、日常から心がけたほうがいい。私も大学の授業で質問の時間を設け、生徒に訓練させたことがある。自分のことを知ってもらい、上司の考えを聞いていれば、よっぽどのことがない限り、悪くは扱わないはずだ。皆の尊敬を集める人であろうと、内心小バカにするぐらいの心構えでいったほうがうまくいく。

平社員が、突然社長と2人きりになってしまい、沈黙が続いてしまいそうになったら、どうすべきだろうか。

社長とて、役職のない社員に経営の話をしてもしょうがないと考えるだろうし、無難に天気や家族の話題などでお茶を濁してもいいだろう。私なら開口一番、社長に、

「そのスーツ、アルマーニですね」

と、言ってみる。内ポケットの下あたりにあるブランドのロゴを見せてくれるなら話は別だが、アルマーニのスーツがどういうものか、見た目でわかる人などいない。

それを受けて社長は言うだろう。

「え、違う。そんないいスーツじゃないよ」

アルマーニのスーツを1万円のAOKIのスーツと間違えられたら怒るだろうが、その逆で怒ることはない。むしろ「そうか、そうか。オレが着ると安物のスーツもそう見えてしまうものか」と考える可能性すらある。ひどい勘違いだが、偉い人というのはこれぐらいの勘違いがないとなれない。