ビジネスソフトウエアを通じ、顧客に対してITによる業務プロセス改善をグローバルに支援する独SAP。同社の日本法人であるSAPジャパンで活躍しているのが、約6年のキャリアを持つ、綱島朝子さんだ。ハイテク業界大手を担当して販売実績を積み重ね、2009年度からは、グローバルで5万人近くいるSAP社員のなかからポテンシャルの高い人材上位約8%という、トップタレントに選出された実績を持つ。

SAPジャパン ハイテク産業担当アカウントエグゼクティブ
綱島朝子
聖心女子大学卒。2004年2月に大手IT企業から同社に転職し、現在にいたる。

「はじめから順風満帆だったわけではありません。入社当初は知識や経験も浅く、営業のはずがうまくプレゼンできずにほとんどの時間がお叱りをいただいただけ、というようなこともありました」

打破するために実践したのが綿密な情報収集と人脈づくりだ。

「同じハイテク業界であっても各社で経営戦略はまったく異なります。まずはそういった点を情報収集し、提案の方向性を決めることが第一。例えばお客様が当社ソフトウエアの外販ビジネスを強化されたい場合、外販セールス時の説得力を持たせるために内部でも私たちの製品を使っていただくよう、グループ会社を含めたお客様全般のIT構築を提案します。一方で、既存の内部リソースを活用されたいお客様には、ニーズに合う製品だけを使っていただくなど、ストレートな提案を心がけました」

綱島さんはクライアント先でとにかくメモを取る。それを社内でまとめると、理解できている部分とそうでない部分が明確になる。

「わからない部分を埋めるのに過去の提案やウェブなどから情報を得るのは当然ですが、もっとも頼りになったのはお客様からの情報。私の熱意を感じてくださって信頼関係が深まるにつれ、多くの社内事情を教えていただきました」