気鋭の経営コンサルタントが今のビジネス・シーンで必須とされる「科目別・勉強本」を徹底ガイドする。この機会に「知識の棚卸し」をしてはいかがだろうか。

会計

専門家ではなく、普通のビジネスマンが「会計」を学ぶのに一番のお勧めは『稲盛和夫の実学』です。著者が実際に会社を立ち上げ、手探りで経営に取り組むなかでつくり上げた会計の原則が示されています。会計の基本的な仕組みをまとめた本としては、『図解 会計のしくみ』がわかりやすい。財務諸表を読むことに特化するなら、私の『「1秒!」で財務諸表を読む方法』がよいと思います。スループット会計をベースにした『ザ・ゴール』は、ボトルネックの発見と解消の方法を小説仕立てで提示したベストセラーで、やはり一読の価値があります。

本格的に会計を勉強するための本なら、『財務会計講義』がベストです。分厚く、内容も簡単ではないですが、基礎的な会計の知識があれば読めるでしょう。

『稲盛和夫の実学』
稲盛和夫著、日経ビジネス人文庫、2000
キャッシュフロー経営を知るのに非常にいい本。現日航会長が苦心の末に考え出した会計の真髄がわかる。


『図解 会計のしくみ』
波光史成著、東洋経済新報社、第2版、2004
多くの図を用いてわかりやすく解説されており、会計の初心者も取り組みやすい。


『「1秒!」で財務諸表を読む方法』
小宮一慶著、東洋経済新報社、2008
会計が専門ではない、普通のビジネスマンが財務諸表を理解するのに適している。


『ザ・ゴール』
エリヤフ・ゴールドラット著、ダイヤモンド社、2001
全世界で300万部近く売り上げた。会計分野ではないが、2作目も面白い。

『財務会計講義』
桜井久勝著、中央経済社、第9版、2008
少し難解だが、会計の専門家が会計のことで困ったときに読むほどの定番本。