褒められている子はオーラが違います

今は社会の基本的な安心感が消え、誰もが自分に対する肯定感を失っています。父親も含めて自信を持つのが難しい世の中で、自分のことが嫌いな子が大勢いて、「消えたい」「自分を消したい」とリストカットしたり摂食障害になります。

医療法人青流会理事長
上村順子

1955年、高知県生まれ。89年山口大学医学部卒業。99年、めだかメンタルクリニック開設。2006年、くじらホスピタル非常勤、08年より常勤。同年、医療法人青流会理事長に就任。精神科医として女性の嗜癖問題、性虐待、児童虐待やPTSDを専門に治療。

そこまでいかなくても、自信がない学校に行きたくない、勉強ができない等々、悩みのない子などいないのでは。特に対人関係で悩む子が多いですね。ほかの子を当たり障りなく扱ったり、周囲に合わせたりして、子どもは子どもなりの世界観の中ですごく苦労しています。

いずれにせよ、お父さんの出番は思った以上にあると思います。子どもにとって母親より少し距離のある憧れであり、大事な存在。どう動くかによって家族は大きく変わります。半面、家族はお父さんにいろんなものをプレゼントしてくれるはず。この夏に何かきっかけを掴むとしたら、お父さんがそのプレゼントを再発見し、その過程でコミュニケーションを取るのがいいのではないでしょうか。

例えば自分の子どもを、隣近所の子が遊びに来た、というイメージで少し違う角度から見直し、いろいろ質問をしてみる。質問してくるということは、関心があるということ。子どもにとって凄く嬉しいことです。答えが返ってきても、それをあれこれ評論してはいけない。「それはダメだよ」などと威張らずに、いかに子どもを褒めるかを練習すればいい。

人は見方次第でいろんなことを褒められます。そうすれば家の中に笑いが生まれるし、お父さん自身が自分を肯定する練習にもなる。普段まったく見向きもしていないことは家庭内に山ほどありますから、子どもと一緒に家の中を“探検”し、「教えてよ」「最近はこんなものがあるのか」などとコミュニケーションを取ることで、会話のチャンネルをたくさんつくっておく。すると夏休みが終わり、互いに忙しくなっても、また会話がしやすくなるのではないでしょうか。

現場で見ていても、褒められて大事にされている子はオーラが違います。容姿や勉強の出来は無関係。テストで100点取っても「当たり前だよ。お父さんは必ず100点取ったから東大に行けた」などと貶(けな)される子もいますから。