サバティーニ・ディ・フィレンツェ 東京店
シェフ ソムリエ
福原朋彦
(ふくはら・ともひこ)
37歳。熊本県出身。2006年よりサバティーニ・ディ・フィレンツェに勤務。

現在は、銀座の老舗イタリアンレストランとして知られる「サバティーニ・ディ・フィレンツェ 東京店」のシェフ ソムリエを務めている福原だが、大学時代は法学部でドイツ法を学び、ワインにもさして強い関心を持っていなかったという。

目覚めは、大学の夏休みに語学研修でオーストリアの首都ウイーンに滞在したときだった。

「現地でオーストリア産のワインと出会い、『これだ』とピンと来るものがありました」

帰国したとき、すでに福原は卒業後にワインに関わる仕事をしようと決意していた。ヨーロッパの生活や文化に浸透したワインの味、奥深さにすっかり魅了されていたのだ。

大学時代、福原はイタリアンレストランでアルバイトしていた。店にはイタリア人もおり、たくさんのイタリアワインもあった。卒業後にソムリエの修業をするならイタリアで――そう考えるようになったのは自然な流れだった。

「不安はなかったですね。むしろ、ワインの勉強をしたいとワクワクしていました」

福原は単身イタリアに留学すると、ソムリエ協会の養成学校に入学した。語学やワインの知識だけでなく、醸造学、料理の知識、文化など多くのことを学んだ。また、自らワインを求めてイタリア各地を回った。

「イタリアは20州ありますが、すべての州でワインの味が違うと言われています。私はワインはもちろん、その土地その土地の空気や人にも触れたいと思い、北から南まで足を運びました」

3年間のイタリア滞在で、福原は見事にイタリアソムリエ協会認定のプロフェッショナルソムリエ資格を取得。帰国後、いくつかの店を経てサバティーニ・ディ・フィレンツェにソムリエとして迎えられた。

「30年以上続く伝統の料理とワインとのマリアージュをお客様に感じていただくことが、今の私にとって一番の喜びです」

イタリアを愛し、イタリアワインを知り尽くしたソムリエが、銀座であなたを待っている。