決定フェーズでは、会議ごとにゴール設定を明確にしたい。事前資料や議事録を見ても、何を話し合うかという「議題」は記されているものの、どの状態を目指すのかという「目的・目標」が曖昧なものが多い。オフィスのレイアウトの例で言うと、「部門の配置について」は議題にすぎない。「部門の配置について合意を得る」という目的・目標を明記してこそ、出席者は参画意識を持って会議に臨むことができる。

決定事項を伝達するだけの会議も同じだ。「~の説明会」(議題)ではなく、「~について情報を共有する」(目的・目標)と記すことで、ただ座っていればいいと勘違いしたり、遠慮している出席者の意識も変わる。

会議終了時点で積み残した課題があれば、議事録に残して次回までの宿題としたい。積み残しの課題は、「アクション(やるべきこと)/イシュー(未解決事項)/リスク(危険)」の3つに分類される。アクションは、すでに問題が顕在化していて、対応策や担当者が決まっているものを指す。誰が何をやるのか明確なので、議事録にも記録として残しやすいはずだ。

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図3 リスク・イシュー・アクションの違い

一方、議事録から漏れがちなのがイシューである。イシューは問題が発生しているものの、対応策や担当が明らかでない課題をいう。責任を持って対応する人が決まっていないため、議題に上っても流されてしまうことが多い。会議のたびに「そういえば、あれはどうなった?」と同じ話が繰り返されるのも、イシューがそのまま放置されているからだ。

イシューを放置すると、問題が深刻化・複雑化して、手がつけられなくなる恐れがある。何らかの形で記録を残して、早めにアクションへと落とし込むべきだ。

リスクは、問題が発生する可能性はあるものの、いまだ顕在化せず、対応策や担当者も決まっていない課題を指す。ただし、将来発生するかもしれないすべてのリスクを記録に残そうとすると、膨大すぎて収拾がつかなくなる。顕在化する可能性が高く、発生したときのダメージが大きいものを除いては、無理して議事録に記載する必要はないだろう。