1億総天体ブーム到来! 注目は、5月21日に迫った金環日食だ。金環日食は、日本では沖縄で1987年に観測されて以来、25年ぶり。東京では173年ぶり、大阪ではなんと282年ぶりだ。さらに6月は部分月食と金星の日面通過、7月は木星食、8月は金星食と2012年はまさに“食”ラッシュだ。

世紀の天体ショーを目撃しようと日食グラスなどが飛ぶように売れている。と聞いて、オープンしたばかりのルミネ有楽町店、サイエンスアイテムのセレクトショップ「ザ・スタディルームコレクション」を覗くと、OLやビジネスマン、高齢者など幅広い客層が買い物を楽しんでいた。

「太陽観察グラスは1週間で500個を超える売れ行きです」とルミネアソシエーツ・藤井幹子さん。が、意外にも、それと同様に人気なのが“サイエンスインテリア”なのだとか。

磁力をコントロールしてコマを浮かせる、浮遊ゴマ(5,775円~ /「ザ・スタディルーム コレクション」)。

「例えば、磁力を使った浮遊ゴマなど、科学の不思議を楽しむアイテムが好評ですね」

一方、2月に東急ハンズ渋谷店が新設したフロア「HINT 7」の「SCIENCE BASE」も人気だ。客は、アンモナイトの化石や隕石をやはりインテリアとして置いたり、理科実験用のフラスコやビーカーを花瓶や貯金箱にしたり。また、小ビンや試験管をメイク道具やビーズ入れに、スポイトを調理道具に、と自由自在に使用範囲を広げるという。天体ブームにとどまらない、サイエンスグッズの隆盛はなにゆえか。

「理系の造形は機能美にあふれているので、眺めたり触れたりするだけで、仕事の息抜きになるようです。不思議な天然の鉱物などを収集する経営者もけっこう多いんですよ。商品企画のヒントを思いつく、というお客様も多いですし」(同)