マンションには必ず、各部屋の所有者を組合員とする管理組合があります。マンションは住人全員の共有財産であり、みんなで話し合って運営していくものだからです。これはマンション区分所有法によって義務づけられています。

本来であれば、管理組合の組合員が分担してロビーや廊下の掃除をしたりするのですが、仕事を持っている人が多いわけですから日々きちんと遂行するのは難しい。そこで管理組合は、日々の清掃や郵便物の取り次ぎなどを代行してくれる会社に業務を委託します。それが管理会社というわけです。

したがって中古マンションを購入する場合、管理会社以上に管理組合のよしあしは大事なチェックポイントです。管理組合の活動で揉めて以来、住人同士の人間関係に疲れてしまい、ついには部屋を手放すというケースも少なくないからです。知らずにそういう物件を買ってしまうと、今度は自分が面倒に巻き込まれることになります。管理会社は替えられても、住人が組織する組合を替えることはできないのです。

それでは管理組合や管理会社のよしあしをどこで判断すればいいのでしょうか。外部から見分けるのは難しいのですが、ひとつの方法としては部屋の内見に行ったとき、エントランスロビーや新聞受け、自転車置き場など共有スペースの様子を、気をつけて見てみることです。掃除が行き届いており、張り紙の内容が穏当であるというところはまず大丈夫でしょう。そのあたりが荒れてくると、管理組合の活動がうまくいっていない証拠です。

規模の小さいマンションなどにたまにあるのは、昔から住んでいるお局様のような人が、管理組合の理事長に居座って全部自分の思い通りにしてしまうというようなケースです。自分の親しい管理会社を重用するため、他の住人は不満が溜まっていることもあります。

ほかには、約10年ごとに行われる大規模修繕に備えて積み立てる「修繕積立金」が不足したために、工事の際に追加で徴収されてしまったというケースも聞きます。修繕積立金がきちんと積み立てられているか、必要な工事がされているかをチェックするのも大切です。

外部からこれらの実情を知るのはなかなか難しいところもあるのですが、購入前、仲介会社に「管理がうまくいっているかどうか、調べてください」と頼んでおくといいでしょう。