一橋大学大学院 国際企業戦略研究科教授 
石倉洋子

(いしくら・ようこ)
上智大学外国語学部卒業。通訳等を経て1980年、バージニア大学大学院でMBA取得。85年、日本女性初のハーバード・ビジネス・スクールの経営学博士(DBA)取得。

多極化した現在の世界では、今何が起きているかを見ることが重要。日々更新される様々な情報源にリアルタイムでアクセスしていないと取り残される。やはり役立つのはインターネットだ。そして英語が必須。範囲と定義にもよるが、「日本語圏」の規模は世界の5~10%程度だろう。欧米以外にイスラム等の情報源も必要。今、本の存在意義は、ネット上に次々に現れるフローの情報がどう関連しているかを構造化し、ストックの情報も含めて時代の流れとして捉えることだ。

『クラウド化する世界』(1)は、ITと電力を比較し、ITが電力同様、存在していて当然の安価なインフラと化してゆく過程を提示、この変化がビジネスだけでなく政治、教育、ジャーナリズムなど社会全体を大きく変えることを示唆している。『クリエイティブ・クラスの世紀』(3)によれば、価値とはモノではなくコンセプトやノウハウにあり、それを生み出すのは国境を越えた知的労働者だという。『「アジア半球」が世界を動かす』(6)は、北半球からアジア半球に向かう力のシフトについて、歴史を振り返りつつアジアの時代の到来を予見している。

リストには翻訳本が多いが、私は大半を原文で読んだ。日本は、内向きで外にも出ず、ITの活用も不十分なのに、世界を理解した気になっているように見える。現場もITも大切だという意味もここに込めたつもりだ。