東北新幹線の復旧にかかった日数は49日。阪神淡路大震災の81日、新潟県中越地震の66日に比べて極めて短時間で達成した。当初は被害の大きかった区間でスピードダウンを強いられたが、9月23日には震災前の通常ダイヤに復帰。11月19日からは、国内初の新幹線版ファーストクラス「グランクラス」を組み込んだ新型車両「E5系」が6編成に増強され、最高時速300キロの「はやぶさ」が東京~新青森間713.7キロを3時間10分で結んでいる。

新幹線運行本部長の細川明良(12年3月1日付で鉄道事業本部運輸車両部長)は「航空機のファーストクラスをイメージしたグランクラスは大変な好評をいただいていて、特に新青森発の『はやぶさ』は常に満席ないし満席に近い状況です」と目を細める。12年3月17日のダイヤ改正で、E5系はさらに4編成増えて10編成となり、最高速度も12年度末には320キロにまで引き上げられる。

東日本大震災が発生した10年度決算(11年3月期)をみると、連結売上高は2兆5373億円(前期比1.4%減)。このうちの67.9%に当たる1兆7219億円は鉄道、モノレール、高速バスなど本業の「運輸業」が占めている。これに続くのが駅構内の物販などの「駅スペース活用事業」の3858億円(構成比15.2%)、次いで駅ビルの「アトレ」「ルミネ」など「ショッピング・オフィス事業」の2232億円(同8.8%)、ホテル業や広告業など「その他」の2062億円(同8.1%)の順となっている。08年度のリーマン・ショックと10年度の東日本大震災の影響をまともに受けて、運輸業の売上高は08年3月期の1兆8577億円をピークに下落傾向が続いた。