ソフトブレーン元社長
秋山真咲

(あきやま・まさき)
1965年生まれ。大阪府立北野高、専修大経済学部卒。丸万証券、日本電気情報サービスを経て2003年、ソフトブレーン入社。常務執行役員、専務取締役を経て08年~10年社長。

完読する本だけで年間200冊以上。意識して読書するようになったのは、新卒で入った証券会社からIT企業に転じたとき。インターネットの黎明期であり、技術に関する本をがむしゃらに読んで知識を得た。『Web来訪者を顧客に育てるリードナーチャリング』(1)は、日本で初めてリードナーチャリングを解説した本。見込み客をいかに育成するか。営業マンを増やせないなか、webを使ったこの種の取り組みは不可欠だ。実際にWebマーケティングの仕事をしている人には物足りないかもしれないが、営業マンや経営幹部がネットサービスの最前線を知るにはお薦めの本。

営業の「いま」を知るのに最適なのが『日本の営業2010』(4)。伝統ある営業専門誌の書籍版だ。経営者や営業幹部へのインタビュー記事も多く、営業生産性を上げるにはこのような本で勉強するのも悪くない。

ソフトブレーンのコンサルタント部門で働くようになってからは、マネジメントの本に集中した。『人を動かす』(10)は累計で1500万部以上を売り上げた古典中の古典。父から薦められて読んだ。父は大手メーカーの設計技師。どのような仕事であれ、一流の成果を出すには、自分が努力するだけではなく人を動かさなくてはならない。人を動かす、好かれる、説得する、変えるためにはどうするか。本書を介し、父は普遍の原則を伝えてくれた。