ポスト野田の有力候補、玄葉光一郎外相と前原誠司政調会長の“記者イビリ”が永田町で話題になっている。

「玄葉氏は昨年11月、テレビ局の美人記者と“玄さま”“マリリン”と呼び合っていることなどを週刊誌に書かれ“外相担当記者が週刊誌に情報を流した”と疑い、担当記者との関係が悪化。そこに在日米軍再編見直し報道があり、各社の記者にネチネチとクレームをつけたのです」(全国紙政治部デスク)

2月8日、日米両政府は沖縄海兵隊のグアム移転と米軍普天間飛行場移設の切り離しを合意。これが「米国主導で決まった」と報じられ、玄葉氏が怒ったのだ。

「みんな米国主導、米国主導なんて書きやがって。米国主導なんて100%間違いだからね! どこもかしこも米国中心史観なんだよ!」

「日経新聞もそうだが、共同通信の解説記事はひどかった。誰が書いた?」

先のデスクが言う。

「玄葉氏はポスト野田をにらみ“オレがやった”とアピールしたいのです。玄葉氏が昨年暮れ、クリントン国務長官に切り離し提案をした同じ頃、米国側からも事務レベルで同様の打診があった。どちらが主導したという問題ではないのです」

前原政調会長も、記者イビリでは人後に落ちない。官邸詰め記者が言う。

「前原氏は昨年秋以降、特定の記者を会見からずっと排除している。気に入らない記者をオフレコ懇談から締め出すことはあるが、会見からの排除は珍しい」

きっかけは「言うだけ番長」と新聞で報じられたこと。前原氏の約束や主張が実現せず、「言うだけ」で終わっていることを皮肉ったものだ。

「昨年9月、前原氏は、震災復興財源を巡り税外収入を政府案より2兆円増額すると発言したが、政府・党内で孤立。産経新聞が“言うだけ番長の称号が不動のものになりかねない”と書いたことに激怒して書いた記者を排除した」(同前)

ところが、前原氏が国交相当時に建設中止を宣言した八ツ場ダムは着工が決定。最近も国家公務員給与削減問題で、労組の連合の説得を自民党側に約束し「武士に二言はない」と啖呵を切ったが説得に失敗。「輿石東幹事長に尻拭いしてもらった」(民主党担当記者)というから、まさに「言うだけ番長」そのものだ。

有力者2人が、本当のことを書かれて怒るとは。民主党の器量が知れる。