ネット生保が最安とは限らない

営業レディが会社にやってきて、プランを見せながら加入を勧める――生命保険は従来、こうした対面型の販売方法が主流を占めていた。人海戦術が命の対面型販売はもちろん人件費がかさみ、そのコストは保険料に上乗せされて私たちが負担してきたわけだ。

その一方で近年、急速に伸びてきたのが通販型保険だ。テレビコマーシャルや雑誌、新聞で大がかりな宣伝を行っているカタカナ社名の生保や外資系生保などがこれにあたる。フリーダイヤルや専用ハガキなどで資料を請求し、実際の申し込みは郵送で行う形が主流。つまり、対面型は“人”を通じて加入するタイプ、通販型は“紙”を通じて加入するタイプということになる。

そこに、新たに登場したのがインターネットを通じて加入するネット生保だ。通販型生保でも一部、ネット加入を扱っているが、ネット生保はネットだけに特化しているところが通販型生保との違いだ。ネット生保はいまのところ、2008年4月に営業を開始したネクスティア生命(旧SBIアクサ生命)と、同年5月に営業を開始したライフネット生命の2社しかない。

ネット生保の大きな特徴は、まず商品がシンプルでわかりやすいこと。特に対面販売では、さまざまな特約を付けたプランを提案されるのが普通で、保険料が高くなってしまうという面がある。ネット生保だと余分な特約を付けなくてすむので、保険料が安上がりになる。また、保険料自体も、もともと安く設定されている。ネット専業で営業コストがかからないことはもちろん、シンプルな品揃えもコストダウンに一役買っているといえるだろう。