リンクトインの攻勢を人材各社はどう受け止めているのか。ヘッドハンター業界ではリンクトインを駆使したヘッドハントが日常的に行われている。その一人である外資系サーチファーム会社ボーモント社でパートナーを務めるジェイソン・ラッカー氏は、以前は自分の持つネットワークと電話が中心だったが、07年からリンクトインを使い始めている。

「たとえば自分の専門外の分野の人を探す場合、誰が組織のキープレーヤーなのか、リンクトイン経由で調べることができる。ビジネスチャンスを掴むには大事なツールとなっています」

リンクトインの登録者の多くは、転職希望の顕在的求職者ではなく、上級の役職者が多い潜在的求職者である。ヘッドハンターにとってはまさにターゲットゾーンだ。「転職したい人には興味がないので、転職サイトは使いません。今の仕事が充実して活躍している優秀な人材を探してマッチングするのが私の仕事。リンクトインを使ってコネクションをつくることで、相手のコネクションが見えるし、口コミ情報も得られるなどメリットがある」(ジェイソン氏)と言う。

ジェイソン氏のターゲットは英語が話せる日本人であるが、クライアントは外資系企業に限らず、海外進出に積極的な日本企業からの依頼も少なくないと言う。

企業のダイレクトリクルーティングの可能性については「当然、増えるだろう」と予測するが、プロのリクルーターの存在はなくならないと言う。

「優秀な人材を探し、獲得するには時間がかかり、企業の担当者はそれだけに関わってはいられない。リンクトインは人と人をつなぐ機能はあっても、実際にマッチングさせるためにヘッドハンターにしかできないスキルがあります。たとえば2~3社から内定をもらった候補者が決めかねているとき、その人を知り抜いたヘッドハンターだからこそできるアドバイスもあるのです」(ジェイソン氏)