かいたことのない量の汗がダラダラと

第二の挑戦はアート引越センターで引っ越し作業の1日体験である。僕は今まで体を使う仕事に就いたことがない。スポーツもまともにやっていたのは中学生の頃だけ。思い切り体を使う仕事をしてみれば、何か変わるきっかけがつかめるかもしれない。

「本当に大変ですから!」

アートコーポレーション CS推進課 田中良二●高校時代から田中良二アルバイトとして始め、卒業後、入社。「引っ越しの魅力はお客様の人生の転機に立ち会えることです」

指導役の田中良二さんは笑顔でそう言いながら、基本の動きを教えてくれた。ぶつけない、落とさない、引きずらないが基本中の基本で、段ボール箱は右手を前、左手を後ろにして持つ。荷物の搬出入はバケツリレー形式で運ぶ等々。

この日のお客様は小さいお子さんとご夫婦の3人家族。現場は路地裏の、エレベーターのないアパートの2階だ。引っ越し先は同じ区内の新築マンションで、作業には2トントラック2台を使い僕を含めて4人のスタッフが担当した。

お客様にスタッフ全員でご挨拶した後、早速作業に取りかかった。壁やコーナーを傷つけないよう養生し、荷物をトラックまでバケツリレー方式で運び下ろす。荷物の重さは覚悟していたが、想像以上にスタッフの動きが速い。それでいながら周囲にぶつけたり壊したりしないよう、荷物の扱いは丁寧だ。